おうちにもある?!お風呂に現れる気団変質 - 日本海温泉物語

<なぜ日本海側ばかり雪が降るの?>
太平洋側にお住まいの方の中に、子供のころ、
「どうして自分たちの地域にはなかなか雪が降らないの?
あそこ(日本海側)ではあんなにたくさん雪が降るのに!
自分たちのところにもたくさん降って欲しい!!」
と悔しい思いをされたことはありませんか?

日本海側では数メートルもの積雪があり、道路の両端は雪の壁。
教科書で見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。
それなのに、太平洋側では南岸低気圧による降雪を除いて、
せいぜいちらつく程度(※1)
どうしてこんなに大きな差が出来るのでしょうか。


<お風呂場で…>
冬場のある日、私の家で不思議な現象を見つけました。
お風呂のお湯は冷めている(湯気はたっていない)のに、
お風呂のふたを開けると、隣にある鏡が曇るのです。

お風呂場は、みんなが入り終わった後、
換気のために少しだけ窓を開けて浴室の換気扇を回します。
風呂桶にはふたをしていますが朝になると当然冷めています。

風呂桶の横には鏡があって、
風呂場も当然冷えているので鏡は曇っていません(写真1)

朝、風呂のふたを開けてしばらくすると、
曇っていなかった鏡が曇り始めます(写真2)

お風呂場は冷えているし、お湯も冷めているのに、
どうして鏡が曇るのでしょう?
そのヒントは…
日本海側にだけ大量に雪が降る原因と同じところにありました。


<気団変質ってなぁに?>
冬になると、ユーラシア大陸から非常に冷たい北風が日本に向かって吹いてきます。
その北風は必ず日本海を通って日本にやってきます。
冬場の日本海は、とても海水浴できるような温度ではありませんが、
シベリアからの北風に比べるとずいぶんと暖かいのです。

冷たい北風が比較的暖かい海の上を通ることで、
大陸のカラカラに乾いた空気に水蒸気が供給されます。
日本海でたっぷり湿気を吸った空気が日本海側にやってきて、
日本列島の中心を走る脊梁山脈(※2)にぶつかるとそこで雪になるのです。
乾いた北風が日本海で暖まる…まるで日本海が温泉のようになっています。
山にぶつかって雪を降らせてしまった後は、
カラカラの乾いた風だけが太平洋側にやってくることになります。


実はこれと同じことがお風呂場で起こっていました。
外から入ってきた冬の乾いた風が風呂桶の残り湯の上を通ることで湿気を含み、
鏡で結露していたのです…↓↓↓こんなイメージで!



大規模な冬の気団変質が、
お風呂場で体験できるというのはとても面白い事ですね。

 

<サニーちゃんのお天気メモ>
(※1)太平洋側…特に関東地方では、
本州の南を進む南岸低気圧で雪になることが多いんだよ。
同じ雪でもメカニズムが違うって面白いよね~過去の記事も参考にね!

(※2)日本の脊梁山脈(せきりょうさんみゃく)
列島を日本海側と太平洋側に分けて分水嶺となっている高い山脈なんだよ。

<45号>

19世紀の観測機器にロマン求めて…

6月1日は気象記念日でしたね。
1年前の記事を読んで思い出してね
2015年5月28日の記事
2015年6月30日の記事


気象観測の歴史は、古くは紀元前6世紀からギリシアで風向の観測が、
紀元前4世紀からインドで雨量観測の記録があります。
かなり古い時代から人々が天気に興味を持っていたことが分かりますね。
農耕が中心の生活では、天気変化をつかむことはかなり重要だったのではないでしょうか。

その気象観測ですが、トリチェリの真空(1643年)(※1)より水銀気圧計の発明がなされ、
その後19世紀からは機器による観測が主流となっていきます。
1960年には世界初の気象衛星がアメリカ航空宇宙局より打ち上げられるなど、
観測技術の
発展には目覚ましいものがありますが、
現在でも視程観測や雲量、雲の種類天気観測など目視に頼る観測も多いのです。

 

さて、今でも19世紀当時を垣間見る事が出来る…
そんな気象観測の道具がいくつかあるのをご存知でしょうか?

・天気管(ストームグラス)
・晴雨予報グラス(液柱型気圧計の一種)
・ガリレオ温度計 …などがありますが、
今回はこの中から天気管にスポットを当ててみようと思います!

まず、天気管とは、どのようなものでしょうか…

天気管とは、こちらの写真のように、
ガラス管の中に水溶液と結晶が
入っているものです。(※2)

「天気」管という名前の通り、
この中にある結晶の変化で天気を予想することが出来る!
とされていた装置です。
天気変化に伴い、中にある結晶がさまざまに変化する、というのですから、
とっても興味深いですよね!


では、どんな風に変化するのでしょう?
結晶の変化と天気の関係はどうなっているんでしょうか?

天気管の結晶変化と天気の関連は諸説あるようですが、
大体次のような解説がなされている場合が多いです。
・晴れ傾向なら管内の固形分は完全に底に沈み液体は澄みきる
・雨に変わる前は、沈殿物の量が徐々に増え星のような形のものが液中を浮遊する
・嵐やひどい風の前は固形分の一部が溶液の表面まで達し、
大きな葉のような形に育ち、溶液は濁って発酵しているように見える。

本当にこんな風に、天気の変化で結晶の様子が大きく変わったらすごいですよね!

…しかしながら、実際はガラス管が密封されてしまっているので、
気圧や
湿度の影響をほとんど受けることがありません。
よって、嵐や風の予想は難しいと言わざるを得ないですね~残念です。


では、結晶はどんな時に変化するでしょうか?
実は天気管の結晶は、周辺の温度によって大きく変化します。


2016年6月16日 室温が高く、結晶は底に溜まっているのみ


2016年2月25日 室内が冷え込んで結晶が成長~星状の結晶も浮かんでいます


また、温度が変化したことで新たに生まれた結晶を確認することも

このように、温度で結晶が変化するものの、
天気管ではとても天気を予想することはできず、
19世紀の観測機器も現代の気象予報技術にはとてもかないません。

でも、この天気管の結晶を眺めていると、19世紀の様子が思い浮かびませんか?
正確な予想は出来なくても、天気管を眺めることで当時の様子に想いを馳せるのは、
とてもロマンのあることではないでしょうか?

ただ、天気管にはまだまだ分からないことも多いようで、
真剣に研究している学者さんもいらっしゃいます。
私たちはインテリアとして飾り、19世紀のロマンを感じ
ながら、
その様子を観察するのが楽しいかもしれません。

天気を調べる道具は自分で工作する事も出来ます。
自分で作った観測機で雨量や風速を調べてみるのも面白いですよ!

サニーエンジェルスのサイエンスカフェやお天気講座で、
工作をやっているときもあります!
ぜひ参加してみてくださいね!

 

<サニーちゃんのお天気メモ>

(※1)トリチェリの真空って?
1643年に、イタリアのエヴァンジェリスタ・トリチェリという物理学者が、
「なぜ10メートルより深い井戸から水を吸い上げる事が出来ないのか」を
説明するために行った実験の事。

一方を閉じたガラス管の中を水銀で満たし、
水銀を満たした皿の上でこのガラス管を立てると、
ガラス管が1mの時、中の水銀は76㎝の高さにしかならず、それより上の部分は真空になることを発見したんだよ。この実験で中の液体が大気によって押されていること、
また場所や日によってこの高さが変わることから、水銀気圧計が生まれたんだって!


(※2)天気管(ストームグラス)の中は?

ガラス管の中には、塩化アンモニウム、ショウノウ、エタノールっていう
化学物質と水が入っていて、塩化アンモニウムとショウノウの結晶が、
いろんな形を作ってくれるの。
19世紀の航海にとって、天気を知るための大事な道具だったそうよ。

<45号>

Mr.トルネードをご存知ですか?

先日、NHKドキュメンタリーで

ブレイブ 勇敢なる者「Mr.トルネード~気象学で世界を救った男~」

という番組を放送していました。
気象学者 藤田哲也さんを特集した内容でした。

「藤田哲也」
(ふじた てつや、英: Tetsuya Theodore “Ted” Fujita)
1920年10月23日 – 1998年11月19日
アメリカ合衆国の気象学者。
出身地は福岡県。

 

お名前を聞いて、「知っている!」という人は少ないかと思います。
実は、気象の世界ではとても有名な方なのです。
そして、気象予報士なら、(おそらく)すべての人が知っています。

その理由は、気象予報士の試験勉強で学ぶからです(^_^;)
下の名前「哲也」までは知らなくても、気象で「藤田」と聞けば、
思い浮かぶのが

Fスケール(注1)

という単語。

 

日本でも、大きな竜巻が発生して被害をもたらすことがありますね。
その竜巻の強さを分類する単位として、Fスケールというものがあります。

F1、F2、F3・・・と数字が大きくなるほど、強い竜巻になります。
この「F」は、藤田博士のお名前の頭文字をとって付けられました。

気象庁のHPで「竜巻等の突風データベース」(注2)を検索してみますと、
2013年9月2日に埼玉県さいたま市、越谷市、松伏町、千葉県野田市、茨城県坂東市で
発生した竜巻が
F2として報告されています。

日本で観測される竜巻は、ほとんどがF1以下ですが、
F2だった上記の竜巻は被害が大きく、記憶に残っている方も多いと思います。

 

さて、話を藤田博士に戻しましょう!

藤田博士は、福岡県北九州市で生まれ、
元は機械工学、物理学を専攻していたので、気象学は独学だそうです。
雷雨研究の論文がきっかけで、32歳でアメリカへ渡り、
シカゴ大学で気象の研究を始めました。

1975年6月24日 アメリカのジョン・F・ケネディ空港で、
イースタン航空66便が着陸に失敗し、115人が死亡する事故が起きました。

当初、事故の原因はパイロットの操縦ミスと考えられていましたが、
管制塔とパイロットのやり取りから、着陸時に強い風が吹いていたのではないか、
ということで、気象学者の藤田博士に調査依頼が来たのです。

藤田博士は、調査、解析の結果、イースタン航空66便は、
着陸直前に「ダウンバースト」(注3)に遭遇して墜落したと報告しました。

ダウンバースト。

ニュースなどで耳にしたことがあるかもしれません。
気象現象のひとつで、積乱雲から爆発的に吹き降ろす気流、
そしてこれが地面にぶつかって吹き出す破壊的な気流のことを、
「ダウンバースト」と言います。

下向き(ダウン)と爆発的に広がる(バースト)を組み合わせて、
藤田博士が作った新語です。


(出典:気象庁HP)

藤田博士の考えに、多くの航空関係者が賛成しましたが、
一部の気象学者は「観測による実証がないので、そんなもの、信じられない…」と、
ダウンバーストについて否定していました。

ところが、藤田博士はレーダーの研究者と協力して、
ダウンバーストの観測を続けました。
写真やデータをとって、ダウンバーストの発生を証明してみせたのです。

航空機にとって、離陸時や着陸時にダウンバーストに遭遇すると、
墜落に直結するほど深刻な問題です。ですから、
藤田博士の発見は航空機の安全にとても大きな影響をもたらしたのですね!

藤田博士は、1989年、フランス国立航空アカデミー金メダルを受賞しました。
気象界のノーベル賞と言われている素晴らしい賞だそうです。

 

さて、その恐ろしいダウンバーストは、
日本でも年に何回か発生しますが、アメリカでは被害が深刻だそうです。
飛行機は安全に飛べるのでしょうか?

安心してください!

ダウンバーストの発見後、空港にはレーダーが設置され、
風の急な変化を観測して、ダウンバーストの発生を数分前に予知できるようになりました。
その結果、ダウンバーストによる航空機の事故はほぼ無くなりました。

今回のコラムで、藤田哲也さんといえば、
竜巻やダウンバーストを研究した気象学者であると覚えていただけたら嬉しいです。

 

最後に本の紹介です。
サニーエンジェルスのメンバーが、藤田博士の自伝を貸してくれました。
古本屋さんで買ったそうです。
早速、読みましたところ、生い立ちからわかりやすく書かれていておもしろかったです。

『ある気象学者の一生』
兄 藤田哲也 著
弟 藤田碩也 編集
(自費出版による自伝。非売品)

※現在、復刻本が販売されているようです。

 

 

 

 

 

<サニーちゃんのお天気メモ>

(注1)Fスケールは、竜巻の強さを分類する世界的単位。
風速と被害状況で分類するんだよ。
<藤田(F)スケール>
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/toppuu/tornado1-2.html
<日本版改良(JFE)スケール>
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/toppuu/tornado1-2-2.html
※平成28年4月より突風調査に使用されています。

(注2)竜巻やダウンバースト等の突風事例について、
気象庁が把握したものを
一覧で見られるよ。
1年の中でもたくさんの事例が発生しているんだね。
<竜巻等の突風データベース>
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/tornado/index.html

(注3)積乱雲からの下降気流が途中で弱まることなく地表付近まで降下し、
放射状に広がって、強く吹き出す風を起こす現象をダウンバーストって言うんだよ。
水平方向の広がりが4km以上をマクロバースト、
4km以内をマイクロバーストと分類して呼ぶこともあるよ。(出典:気象庁HPより)

<18号>

 

 

三寒四温乗り越えて~春が来た!

暖かい日が多くなってきましたね♪
気温が10度を割り込むのは深夜から明け方の一番寒い時間帯だけで、
日中に10度を下回わる日は殆ど無くなってきて日差しにも暖かさを感じ、
良く晴れた日は特にホッとできる時間が多くなってきたのではないでしょうか。

暦では春の訪れは立春とされていますが、実はこの頃はまだとても寒い時期で、
平年値で見ても、1月下旬ごろから2月上旬が最低気温の底となっています。
この頃には、まだ春の訪れを実感できるものはかなり少なくて、
日向でも、オオイヌフグリタンポポが咲いている事は滅多にありませんが、
この頃から気象的には少しずつ変化が始まっていて、
晴れた日には、日差しに変化も感じられるようになってきます。(※1)

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以下のグラフは、自宅付近(奈良県北西部)の気温変化を記録したものです。

2015年11月から2016年3月までの日ごとの最高/最低気温(屋外)を表していて、
11月から1月頃までの間、気温は上下しながらも下り勾配が見て取れますが、
日ごとの差はさほど大きくなく推移し、1月下旬頃が気温の底?という感じです。
そして、立春前後から気温は上り勾配に変わるのですが凸凹も目立ってきますね!

気温の凸凹(振れ幅)は晩秋から真冬の間より、2月頃の方がずっと大きいようで、
12月下旬~1月下旬頃には殆ど無かった日中の最高気温20度以上という気温が、
現れたかと思ったらすぐまた10度前後まで下がったりする中で…
特に高い気温が現れた次の日が低い事が多く、落差がとても激しく、
まるで気温のジェットコースターです。

そして、まだ寒い立春の頃に20度を超える様な気温が現れる事で、
「温暖化の影響?」「今年は暖冬だから春が早く来たのかな?」
「やっぱり最近の異常気象?」と思われる方も多いようですが…安心してください!
これは、春先に通過する低気圧の影響で、実は普通の事なんです!

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別の視点も加えて、南関東・横浜の2月中旬を集中して見てみましょう。
以下は、今年の春一番が吹いた前後の気温・気圧変化と天気図です。



まず、グラフと2月14日の天気図と合わせて見てみますと、
14日に横浜は低気圧の暖域(※2)と言われる部分にあって、
暖かい南寄りの風が入っていますが、前日13日中頃から風向が南寄りに変わり、
気温(赤いライン)の急上昇と、気圧(青いライン)の急下降がはっきり分かりますね。

そして、気温ピークの14日後半、同じ頃に最低気圧を記録した直後に、
風向が北寄りに変わって気温が急下降、逆に気圧が上昇に転じています。
さらに、15日の天気図では、寒冷前線(※3)が通過したことも分かりますし、
また、大きな範囲で見てみますと、いわゆる「西高東低」と言われる、
西に高気圧、東に低気圧がある「冬型」になっているのも分かりますね。

低気圧は、周辺の空気が中心に向かって反時計回り(左回り)に動きますので、
低気圧が進む前面では、総じて南寄りの風、後面では北寄りの風になります。
低気圧が西から東へ進むと、まずは南寄りの風、通過後、北寄りに変わりますが、
この風の影響はとても強力で、暖かい南寄りの空気が入ってきて気温は急上昇、
低気圧通過後に北寄りの風になり大陸の冷たい空気が入ってきて気温は急下降、
これが、この春先の気温のジェットコースターの正体です。

急に暖かくなって、春が来たと思ってホッとしていたら、また急に真冬の気温に…
ヤキモキしつつ、きっと桜や梅もこんな気持ちで春を待っているのでしょうね。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
昔から、春先のこの時期を、
三寒四温と言う言葉で表していますが、広辞苑では、
『3日ほど寒い日が続いた後に4日ほど暖かい日…それを交互に繰り返す現象』、
別の解釈では『春になる前には3回ほど寒い時期があって4回ほど暖かくなる』とも…
まさに、この現象にピッタリの言葉ではないでしょうか~そして、
これは昔から認知されていて、春の訪れを告げるものと理解されていたのですね。

三歩進んで二歩下がる…そんな三寒四温を繰り返してヤキモキしている間に、
いつの間にか桜舞い降りる春本番がやってくるのです。
桜ひらひら舞い降りて落ちて♪~今は、まさに気温の春
でも、ここまでの気温は単に右肩上がりの上昇ではなく凸凹感が満載…
春に向かって産みの苦しみ紆余曲折~こんな苦難の道のりがあったのです!

普段は気温の変化や、植物や動物の動きから春を感じる事が多いですが、
春爛漫・百花繚乱…などなど、本格的な春を告げる言葉も…
日本では、こんな素敵な言葉で春を感じる事も出来るんですね(^_^)

 


<サニーちゃんのお天気メモ>

(※1)過去の記事「心の春を感じましょう!」も参考に見てね(^^♪

(※2)暖域って何でしょう?
低気圧に伴われた温暖前線と寒冷前線に挟まれた暖かい南風が吹き込むエリア
(名前のとおりなんだね♪)…低気圧の南側にあたる部分なんだよ!

(※3)寒冷前線って何でしょう?
低気圧の後方、寒気⇒暖気に向けて進む前線で積乱雲による強い雨が降り易いよ!
(一方、前方の温暖前線は、暖気⇒寒気に向けて進んでシトシト雨が降り易いよ)

 

<45号>

四国の雪

皆さん、四国の冬といえば、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
黒潮洗う暖かな足摺(あしずり)岬などを想い浮かべる方も多いでしょうね。
前回のコラムでは、横浜と同じ太平洋側の名古屋で、
強い冬型の気圧配置の時に関ケ原の辺りから雪雲が流れ込んで、
大雪になるお話しがありましたが、今回は、四国の雪についてのお話しです。

意外に思われるかも知れませんが、
四国にも冬型の気圧配置の時に雪が降る地域があるのです。
標高の高い四国山地だけでなく、
愛媛県の中部【中予(ちゅうよ)地方】の内陸部や、
南部【南予(なんよ)地方】、高知県の西部の内陸でも降ります。


<上空の風(季節風)>
では、なぜ南国の四国でも冬型の気圧配置の時に雪が降るのでしょうか?
それは、西から北西寄りの冷たい空気の季節風が関門海峡を渡り、
四国西部に流れ込むことによります。

雪雲が愛媛県の南予地方に流れ込んでいる様子が、
このレーダー画像からわかりますね。

愛媛県の久万高原(くまこうげん)町などにはスキー場があり、
冬には多くのお客さんで賑わいます~もっとも人工降雪機の力を借りていますが…

先日、1月19日と24日は強烈な寒波によって西日本の各地で大雪になりました。
この時の愛媛県の雪について、少し詳しく見ていくことにしましょう。
19日は松山市の南およそ30kmの久万高原町で40cmの大雪になり、
24日は松山の南西およそ45kmの大洲(おおず)市で10cmほど積もりましたが、
どちらのケースでも、海沿いの平野の松山や今治(いまばり)では、
ほとんど降っていません。
                                                  (※1)


では、同じ冬型の気圧配置でも、
雪がたくさん降る場所に違いがあるのは、なぜでしょうか?
それは、空の上の高いところでの風向きと風の強さによります。

福岡の上空の風向きや風の強さと、
愛媛で降った雪の量との関係を調べてみると、
およそ1500mの高さの風向きが西から西北西で強くなった時、
久万でたくさんの雪が降ります。

大洲でもこの高さの風が西寄りの時に雪が多くなっていますが、
久万ほどこの関係は強くなくて、むしろ、
800mほどの高さで西寄りの風とともに、
北寄りの風が強くなった時にたくさん降ります。

いずれのケースも、風下側には大きな山並みが控えており、
上空の風は、これらの山並みにぶつかって、
山の斜面に沿って強制的により高いところへと運ばれて雲を作り、
時として南国とは思えないほどのたくさんの雪を降らせるのです。

空の高いところの風の通り道や、
風がぶつかる山の位置や高さが関係していることがわかりますね。

1月19日の久万高原町内の様子です。
まさに雪国!南国の四国とは思えませんね。

久々にユキ積もりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(写真は3枚とも久万高原町公式HP内「まちの話題」よりお借りしました。)


<上空の気温>
次に、上空の気温と降る雪の量の関係についてお話ししましょう。
先ほどの1500mの高さで見ますと、
寒くなると雪の量が多くなる傾向がありますが、
この関係はあまり強くなく、
さらに高い4000~5500mで気温が下がると大雪になります。
大洲で大雪になった1月24日の午前9時の福岡の上空およそ4000mでは、
-34.4℃まで気温が下がっています。


<大雪の条件>
2005年(平成17年)の12月も、
冬型の気圧配置が長く続いて寒さが厳しく、久万や大洲などで大雪になり、
八幡浜(やわたはま)などのみかんの産地では、
穫前のみかんが寒さと雪で傷められ、大きな被害が出ました。
この時のことを参考に、大雪が降りやすくなる条件について、
簡単にまとめると次のようになります。
・福岡の上空およそ1500m以下の風が西北西寄りで強いこと
・福岡の上空およそ4000~5500mの気温が低いこと
・およそ4000~5500m以下で空気が低いところから高いところへと昇りやすいこと

 

《サニーちゃんのお天気メモ》

(※1) 四国のアメダスでは積雪の深さは測っていないの。
□□□□□□アメダスでは降った雪を熱で融かして液体の水にして、
□□□□□□雨と同じ降水量として0.5mm単位で測っているんだよ。

 

<オカメインコ>

 

 

同じ太平洋側の雪でも…

季節は、寒の内(※1)
この冬は暖冬傾向だと感じていた方も多かったと思いますが、
一番寒い時季を待っていたかのように寒波が到来しましたね。

強い冬型気圧配置は日本海側に雪を降らせますし、
その隙間を縫うように走り抜ける南岸低気圧は、
太平洋側にも多くの雪を降らせることがあります。
その仕組みは、以下のコラムも参照してください。
□□↓↓↓
<季節風の話>
http://sunny-angels.jp/blog/?m=201212

<南岸低気圧の話>
http://sunny-angels.jp/blog/?m=201301

<すじ状の雲の話>
http://sunny-angels.jp/blog/?m=201412


下図のように、今年1月18日明け方には、
南岸低気圧により横浜で積雪があり、
また、1月20日朝には、
冬型気圧配置により名古屋で積雪がありました。
□□↓↓↓


上図の赤枠青枠で、何か違いに気づきませんか?

どちらも3時間での降雪・積雪(※2)で比べると、
次のような違いがありますね。

①    積雪深 ⇒ 横浜:5cm名古屋:9cm
②    降水量 ⇒ 横浜:15.5mm名古屋:5.0mm(※3)
③    気温 ⇒ 横浜:0℃台名古屋:氷点下
④    雪水比 ⇒ 横浜:0.3cm/mm名古屋:1.8cm/mm
雪水比(ゆきみずひ)は次のように計算します。
□□↓↓↓


雪水比
とは、降水1mm当たりの降雪量(cm)で、
小さいほど積もる効率が悪く、
大きいほど積もり効率が良い…つまり、
小さいほど水分が多い雪(湿った雪=ボタン雪イメージ)
大きいほど水分が少ない雪(乾いた雪=粉雪イメージ)

南岸低気圧による関東地方の雪は、
地上の気温が0℃~1℃で降ることが多く、
雪水比0.5前後が大半で、重い雪ゆえに、
着雪・電線断・落雪・凍結などの影響が出やすい。

一方で、同じ太平洋側でも、名古屋は、
強い冬型気圧配置で琵琶湖や関ケ原を通り抜けた雪雲、
その影響での降雪が多く、雪水比1.5を超える。


たかが雪・されど雪…こんな違いも意識して、
雪のたびに雪水比を計算したり考察することも、
気象や天気に興味を持つキッカケになるのかも!

 

《サニーちゃんのお天気メモ》

(※1)寒の内
□□二十四節気の小寒~大寒~立春前日(節分)までの時季
□□小寒:寒の入り~寒の内(寒中)~立春:寒の明け
今年は、1月6日~2月3日までが、寒の内なんだよ!

(※2)降雪・積雪
□□降雪量 ⇒ その時間内に新しく積もった(積もる)雪の量
□□積雪量 ⇒ 自然の状態でのその時刻の雪の深さ
□□雪の重さで圧縮されたり、太陽熱や雨で溶けたりして、
□□積雪量は変化するんだよ!

(※3)降水量
□□降水量 ⇒ 雪を雨量計で溶かして降水量として観測
□□雨量計にヒーターなどが付いてるんだよ!

<ゼフ>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天に伸びる光の帯~太陽柱

夕日を見ていて
太陽の上下に、光がまっすぐ伸びているのを
見たことはありませんか?

これは太陽柱(サンピラー)と呼ばれる現象で
太陽が低い位置にある朝か夕方によく見られます。

雲の種類で言うと巻層雲や高層雲が広がっている時が多いです。

雲の中にある小さな氷の粒が規則正しく並ぶことで
太陽からの光を反射し、柱のように輝いて見えるのです。

氷の粒が関係しているため、寒い時期に良く見られますが
巻層雲、高層雲などが一様に広がっている時なら
一年中見られる可能性があります。

日の出前の東の空や、
夕方なら西の空を、気を付けて見てみてくださいね。

また、日が沈んで「今日は太陽柱見えなかったな・・・」と、
すぐにあきらめて帰らず
もう少し余韻を楽しんでみてください。

日没後10分くらいに現れたり
思いがけず、ハッキリと輝き出すことがあります。



太陽柱に出会えたら
みなさんは、どう感じるでしょう?

朝日の時は
□□□□□さあ!いくぞ!
ですか?
□□□□□
あ~一日始まっちゃうなあ・・・
かな?

夕日の時には、
□□□□□
一日無事に終わって、よかった~

□□□□□もう終わっちゃうのかあ・・・

□□□□□やっと終わる!

□□□□□おひさまが、またね!と言ってるみたい。


みなさんと、おとなりにいる人は
どう感じているのでしょう?

特にお子さんの感想、聞いてみてくださいね。

まっすぐに伸びる光の帯とともに
素敵な思い出ができると思います。

 

《サニーちゃんのお天気メモ》

寒い地方で見られるダイヤモンドダストでも、
太陽柱と同じような現象が見られることがあるのよ。
私もいつか、見てみたいな。

<1号>

 

 

 

並べたり重ねたり…工夫しよう!

11月3日の文化の日は、晴れの特異日といわれていますね。

大辞林によると、特異日とは、
晴れとか雨とかの天気が、統計上高い確率で現れる特定の日。
東日本では11月3日は晴れの特異日といわれる…とあります。

そこで調べてみると、東京管区気象台のホームページに、
過去30年の天気出現率データがありましたので、
横浜の11月をグラフ化してみました。


左から右へ日ごとにの出現率を並べてみると、
確かに11月3日は4日と並んで雨が一番少ない日ですが、
晴れが一番多いわけではない…なのに晴れの特異日
きっと、もっと長期間のデータを集めれば晴天率が増える?
そうですね~観測継続と積み上げが今に未来に繋がって、
受け継がれるものだなんなぁ~と改めて思ったりしますね。

このように、データ(数値)を直接眺めるより、
日別に並べたグラフにすると直感的で判り易いですよね。

 

たとえば、気象庁ホームページは有用な情報の宝庫です。
データだけでなく、判り易い図表や画像も満載ですが、
時として、あっちの図表・こっちの画像を交互にみる…
ということになるのも事実~ちょっと工夫してみませんか?
ということで、今年11月3日の文化の日…
前日の雨模様も回復して、やっぱり好天気になりましたが、
空気の乾燥傾向を肌で感じて~調べたくなりました。

気象庁ホームページの衛星画像に水蒸気画像があります。
一般的な雲画像とは異なり、上空の空気の湿り具合を、
夜でも・雲がなくても、湿度が高いほど白く・低いほど黒く…
そんな色調変化で視覚的に確認することが出来る画像です。

この日の午後、横浜では、湿度30%台まで下がりましたが、
地上観測と直接連動しないまでも変化の様子が垣間見えます。
時系列変化を水蒸気画像と一画面に並べて見比べると、
より納得出来るような気がしますが…如何でしょうか?

11月3日午前3時<赤枠>

(気象庁HPの画像を加工)

11月3日午前9時<緑枠>
 (気象庁HPの画像を加工)

11月3日午後3時<青枠>

 (気象庁HPの画像を加工)


そして、同時刻の天気図と水蒸気画像も、別々に眺めるより、
以下のように重ねてみては?
湿り具合と乾き具合のグラデーションや、それぞれの領域が、
高気圧・低気圧・前線との位置関係含めてよく判りますよね。
通常の雲画像と重ねても興味深いですよ。
                 ↓↓↓
  (気象庁HPの画像を加工)


有用な情報や画像を個別にみるより、並べたり・重ねたり、
そんな工夫をすれば、新たな発見生むかも知れませんし、
これこそ楽しく理解するコツなのかも知れませんね。

 

《サニーちゃんのお天気メモ》

上空の空気の湿り具合や乾き具合は、空を眺めても判るよ!
<左>上空が湿った状態:雲の原料多くて飛行機雲の尾が長い。
<右>上空が乾いた状態:雲の原料少なく飛行機雲の尾が短い。

そうそう、今年の文化の日…<右>のように、
飛行機雲が夕陽で茜(あかね)色に染まって感動的だったよ!

飛行機雲がどうしてできるのか…
詳しくは、過去のコラム「飛行機雲」を読んでみてね~

上空の湿度高いと雨が近い~飛行機雲の尾が長いと天気は下り坂、
観天望気(かんてんぼうき)に繋がる言い伝えとか諺(ことわざ)も、
ちゃんと説明出来れば、立派な自然気象予報士なんだね!

ところで、顔を洗う猫って~気象予報士なのかな?
う~ん、ちょっと疑問!
 

<ゼフ>

ひまわり8号から見る、今日の地球

今年の初めに、
「新種のひまわりが日本を席巻するかもしれないよ」
とご紹介したひまわり8号、
7月7日の七夕の日から正式に運用がスタートしました!

毎日の天気予報や気象観測に活用されている気象衛星ですが、
一般の私たちも簡単にその画像を見ることができるのです。
それがこちら、「ひまわり8号リアルタイムWeb」。
http://himawari8.nict.go.jp/

  「ひまわり8号リアルタイムWeb」 2015年9月8日12:00 地球全図

白黒だった画像がカラーになり、
細部までクッキリ見えるようになりました!(※1)

こちらは9月8日のお天気。
日本の南海上には台風18号が、太平洋沖には発達した台風17号があります。
天気図と見比べると、前線にそって広がる雲や台風の形がよく分かりますね。

左は「気象庁HP」 2015年9月8日9時の実況天気図
右は「ひまわり8号リアルタイムWeb」 地球全図の拡大画像

 

もう一つ、ひまわり8号のすごさを感じられるのが「動画」です。
実は今までもひまわり7号の動画を見ることができたのですが、
ひまわり8号は画像がぐっと鮮やかになり、
観測間隔も30分から10分(日本付近は2.5分)になったため、
その映像は迫力満点になりました。(※2)

左上にあるメニューで「動画」をクリックすると、
過去のデータを集めた「ひまわり8号動画ライブラリ」があります。

「ひまわり8号動画ライブラリ」 
http://himawari8.nict.go.jp/himawari8-movie.htm

ここでぜひ見てほしいのが、
2015年の3月に撮影された「台風4号」の映像です。
雲がムクムクと湧き上がって渦を巻き、中心の「目」の近くは、
ものすごい速さで回転している様子がよく分かります。(※3)
気象衛星で観察できるのは雲だけではありません。
5月に撮影された「桜島の噴火」では、火山から噴煙が吹き上がり、
灰が風に乗って流れていく様子もはっきり分かるのです!

ひまわり8号の衛星画像と動画は、
気象庁のホームページでも見ることができます。
天気図や降水ナウキャストもあるので、
雲と雨の様子を見比べてみましょう(※4)

今この瞬間も、宇宙から画像を送り続けているひまわり8号。
太陽に照らされる青い海、緑と茶色の陸地、
そしてまるで生きているかのように動く白い雲・・・
宇宙からカラーで見る地球はとても美しく、いつまで眺めていても飽きません。
みなさんもぜひ一度見てみて下さいね!

 

《サニーちゃんのお天気メモ》

(※1)「ひまわり8号リアルタイムWeb」はスマートフォンからも見られます。
□□□□□□□GPS機能で現在位置を表示して、今いる場所の雲もチェックできるよ。

(※2)動画ライブラリでは、
□□□□□□□
ひまわり7号と8号の動画を比べてみることができるよ。
□□□□□□□新旧ひまわりの違いが一目瞭然!

(※3)台風の目の周りでは背の高い「積乱雲」という雲が発達しています。
□□□□□□□夏によく見る入道雲も積乱雲のひとつ。
□□□□□□□雲ができる仕組みは「夏の入道雲の話」を読んでみてね。

(※4)気象庁のホームページでは2.5分ごとに撮影した最近3時間の画像を
□□□□□□□動画で見ることができるよ。天気予報、天気図、雨が降っている
□□□□□□□
場所が分かる降水ナウキャストなど、お天気情報がたくさん!□□□□□□□http://www.jma.go.jp/jp/gms150jp/


<21号>

 

 

 

 

 

 

天気予報の始まり

突然ですが、質問です!

天気予報がなくなったら、困りますか?

「今日、洗濯物を外に干してもいいのかしら?」
「明日、川へバーベキューをしに行くけど、天気はどうかな?」
「漁に出るのに、海は荒れないだろうか?」

もしかしたら、困らないという人もいるかもしれませんが、多くの人にとって天気予報は必要な情報だと思います。

天気予報はずっと昔からあったのでしょうか?

●天気予報の始まり
前回の記事「気象記念日」の中で、明治8年6月1日に東京気象台で気象観測が始まったことを書きました。その8年後、明治16年(1883年)3月1日に初めて天気図が作られ、毎日印刷配布されるようになりました。その翌年、明治17年(1884年)6月1日に初めての天気予報が出されたのです。発表された内容は以下のとおり。

午前6時発表
「全国一般風ノ向キハ定リナシ天気ハ変リ易シ 但シ雨天勝チ」(※1)

午後2時発表
「変リ易キ天気ニシテ風位定ラス 且雨降ル地方モアルベシ」(※2)

午後9時発表
「中部及ビ西部ハ晴或ハ好天気ナルベシ 北部ノ一部ハ天気定ラス 一部ハ曇天又ハ烟霧ナルベシ」(※3)

カタカナ表記が時代を感じますね。

この初めての天気図作成、初めての天気予報発表は、ドイツのエルヴィン・クニッピングさんが行いました。明治4年に来日したのですが、その後、内務省の御雇外国人(おやといがいこくじん)となり、明治15年に東京気象台に入りました。暴風を知らせる暴風警報を促進する建白書を明治政府に提出した人でもあります。そして、明治16年(1883年)5月26日に東京気象台にて日本で初めての暴風警報が発表されました。

この時の気象状況は、「全国的に気温が上昇して気圧は降下し、四国南岸に中心を持つ745mmHg(993mb=993hPa)の低気圧によって、四国、九州方面は風が強く、高知における24時間雨量は102mmに達した」そうです。

●日本で初めて新聞に天気予報が!
現代では、新聞、テレビ、ラジオ、インターネットなどで、いつでも天気予報を知ることができます。電話の177番でも天気予報を聞くことができます。

天気予報がスタートした頃はどのように知らせていたのでしょうか?
なんと、交番に掲示されたそうです。

1882年から福澤諭吉さんが創刊した「時事新報」では、「天気報告」として前の日の天気を掲載しました。その後、日本で初めて新聞紙上に天気予報を掲載しましたが、この意欲的な試みはなかなか庶民に馴染まれなかったそうです。そこで、明治26年(1893年)元旦の紙面より、イラスト入りの天気予報を始めて、これが好評を博したとのこと。


時事新報は、当時唯一の日刊紙でした。晴れ、曇り、雨を表すイラストが日々の新聞の「氣豫」のコーナーに小さく掲載されています。中には「雨又は雪」を予報するイラストもありました。雪の日のスタイルは、蓑笠(みのかさ)、そして、足元にはわらじを履いているように見えます。パッと見てわかりやすいこと、イラストの面白さなどが好評を博した理由でしょうか。

その後、大正14年(1925年)にラジオによる天気予報が、昭和28年(1953年)にテレビによる天気予報が開始されてます。

天気予報の始まりは、今から131年前のことなのですが、日本や世界の長い歴史からみると、時間的には歴史は浅いと言えるかもしれません。しかし、現在の予報技術は格段に発展しました。やはり、私たち人類にとって必要な情報だからなのでしょう!

<参考文献>
気象庁ホームページ、慶応義塾ホームページ「ステンドグラス」、時事新報


《サニーちゃんのお天気メモ》
当時の天気予報を現代風に言い直すと、こんな感じかな?

(※1)
「全国的に風向きは一様でなくて雨も降りやすく、変わりやすいお天気でしょう」

(※2)
「風向きは一様でなく変わりやすいお天気で、ところにより雨が降るでしょう」

(※3)
「中部地方以西の天気は晴れて良い日和になるでしょう、
北部の一部では天気は変わりやすく、曇りまたは煙霧のところもあるでしょう」

 

<18号>