金環日食~リング状の太陽を見よう

新月の時、月と太陽が重なって、太陽を隠す現象を「日食」といいます。

皆既日食と金環日食図1.皆既日食と金環日食の違い

地球から見ると、月と太陽の大きさはほとんど同じなので、ぴったり重なれば、全部隠れる「皆既日食」、ずれて重なれば一部が欠けて見える「部分日食」となります。ところが実は、月は地球の周りを楕円形を描いて回っているので、月のみかけの大きさは大きく変化します。(※1)
そのため、月のみかけの大きさが小さいときには、ぴったり重なったのに太陽を隠しきれない・・月の周りにリング状の太陽が見える・・「金環日食」となるんです。(図1)
(イラスト:高部哲也氏) 

その金環日食が、次の新月5月21日(月)の朝7時半頃、日本の多くの地域で見られるのはいろいろなメディアで取り上げられていますから、皆さん、ご存じですね?(※2)

でもひょっとして、7時半前後だけの現象とか、7時半頃、世の中が暗くなるから自然に気がつくだろう、とか、その時刻に見上げればリング状の太陽が見られるだろう・・・とか、思っていませんか?

これ、全部間違いです。
まず、日食の現象自体は、地域によって異なりますが、だいたい6時半頃から始まって
だんだん欠けていき、7時半前後に最長5分間くらいリング状になり、だんだん元に戻っていって9時過ぎにもとどおりの丸い太陽になります。2時間近く続く大イベントなんです。
それから、太陽がリング状になっても世の中は暗くなりません。太陽が雲に隠されたのかな?位の変化しかなく、しかも1時間もかけて暗くなっていくので、気づくことは出来ません。そして、一番大事なのが、そのまま見上げても絶対にリング状の太陽は見えない、ということ。太陽はとても明るいので、リング状に残った部分だけでも、まぶしくて何もわからないのです。

さらに、まぶしいだけではなく、太陽を直視することは目にとってとても危険です

日食めがね図2.日食めがねはいろいろ

そこで登場するのが「日食めがね」(図2)となるわけですが、これ、かけてみるとわかるけど真っ黒ですよね?いったいどうやって、太陽を見つければいいんでしょう?ここで、役に立つのが「影」。だって、影は太陽の真反対に出来るんですから。

①両足を少し開いて太陽に向かって下を向いて立ち、自分の影の中心が足の間に来るように調整する
②日食めがねをかける
③ゆっくりと顔を上げる(図3)(写真提供:芳野 雅彦氏)

日食めがねの使い方図3.日食めがねの使い方

ほら、こんなふうにすれば、ちゃんと太陽を見つけられますね。
食の始まりから、ちょこちょこ見ることで、だんだん、欠けていく太陽を楽しむことが出来ます。(※3)

金環日食が次に東京で見られるのは、300年もあとだとか。
世紀の天文ショーを気軽に見られる大チャンス!ぜひ、正しい方法で安全に観望してみてくださいね。

《サニーちゃんのお天気メモ》

※1 5月6日の満月は、一番小さいときに比べて14%とも大きかったんだよ。
※2 どこでいつ見られるか?という詳しい情報は国立天文台のHPを見てね。
http://naojcamp.mtk.nao.ac.jp/phenomena/20120521/obs.html
※3 日食めがねをかけていても、太陽を見るのは全部足して数分以内にしてね。
    途中休んでも、ダメージは回復しないから観望時間は足し算だよ。


 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です