〇〇℃・・・直接温度計の表示を読む機会よりも、最近では、
猛暑日・真夏日・夏日・熱帯夜・冬日・真冬日などの
日本語(漢字)で表現する機会が多くなったような気がします。
それぞれ、以下のような意味合い(定義)があります。
猛暑日 : 一日の最高気温が、35℃以上の日
真夏日 : 一日の最高気温が、30℃以上の日
夏 日 : 一日の最高気温が、25℃以上の日
熱帯夜 : 夕方から翌日の朝までの最低気温が25℃以上の夜
冬 日 : 一日の最低気温が、0℃未満の日
真冬日 : 一日の最高気温が、0℃未満の日
機械的な数値より日本語で表現する・・・
やはり、日本人は直接的な表現よりも間接的・婉曲的な表現を好み、
それで瞬間的に情景を感じ取ることが出来る素敵な民族なのですね。
日本語表現で、暑さや寒さも和らいで感じているかも知れません。
このうち、猛暑日は2007年4月から新しく使われ始めた言葉で、
それまでは、すべて真夏日の範疇だったのがさらに細かく分けられました。
このように、時代や気候の移り変わりで新たな括りが出て来ても、
それがまた、わりと心地よく文化になって根付いていくのです。
そして、これからは、気温40℃超えの時代が到来するでしょうか?
これ以上、暑さを感じる言葉が増えるのは遠慮したいですが、
仮に増えたとしても、たやすく受け入れられるでしょう。(※1)
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気温データを眺めていると面白い事象に出会うことがあります。
たとえば、北海道の中徹別(ナカテシベツ)で2009年4月30日に、
最低気温-2.7℃、最高気温27.3℃を記録しました。
一日の中で、冬日と夏日を両方記録するという珍しい日でした。
その他、観測史上の順位として、こんなデータもありました。
① 最高気温の最高:41.0℃(2013年8月12日 高知県江川崎)
② 最高気温の最低:-32.0℃(1936年1月31日 静岡県富士山)
③ 最低気温の最高:30.8℃(1990年8月22日 新潟県糸魚川)
④ 最低気温の最低:-41.0℃(1902年1月25日 北海道旭川)
・・・なんと、日本の最高気温も最低気温も、
プラス・マイナスはありますが、41℃なのですね!
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最後に、昨年の夏は暑かった・・・と言われていますが、
グラフや図で比較・検証してみましょう。
(下の画像をクリックして拡大してご覧ください)
上が昨年(2013年)、下が今年(2014年)、それぞれ、
6月1日~8月15日までの日ごとの観測地点の数です。(※2)
なお、右側の日本地図は、上が昨年6月~8月の3か月間、
下が今年7月19日~8月15日の4週間と期間が違いますが、
平均気温の平年差を表しています。
どうでしょうか。
猛暑日・真夏日の観測地点の数でも平均気温の平年差でも、
全体的には、昨年の夏が暑かったことを示しているようですが、
たとえば、6月上旬や7月下旬~8月上旬にかけては、
今年の方が暑かったこともわかります。
〇〇℃・・・こんな数字の並びだけではわかりづらいことも、
観測地点の数に注目したり、分布を図式化したり、
ちょっと見方や発想を変えるとわかりやすくなります。
言葉で感覚的に暑さ寒さをイメージするのはもちろん、
きっと、こんな工夫も日本人の得意技ですよね。
《サニーちゃんのお天気メモ》
(※1)猛暑日という新区分が出来る前に、酷暑日という呼び方が非公式に使われていたそうよ。もし、今後増えるとしたら・・・如何にも暑そうな炎暑日・極暑日なども候補になるかな?(イヤだけどね)
(※2)全国の地域気象システム(アメダス)の観測地点は1300か所くらいあるんだけど、そのうち気温観測が可能な地点は930か所近くあるのよ。なので、2013年8月11日に297か所で猛暑日を観測したということは、全国の約3分の1近くにも及んだということになるのね。
<ゼフ>