天体が天体に隠される現象を「食」といいます。
地球から見た太陽と月の位置関係によって、太陽が欠けて見える「日食」や、月が欠けて見える「月食」という不思議なことが起こります。
「日食」とは、太陽が月によって隠されて見えなくなってしまうこと。
《太陽》―《月》―《地球》が一直線にならんだときに見ることができます。(図1)
図1.「日食」のときの太陽・月・地球
宇宙から見ると「月の影が地球に映っていて、その影の中にいると日食が見られる」ということになります(※1)
太陽の見え方は変わりますが、月の後ろに隠れるだけなので、すぐにまた元の丸い形に戻ります。
イラスト:高部哲也氏
さて月が欠けて見えるのが「月食」。
月には満ち欠けがあり、満月・半月・三日月と毎日少しずつ形が変わりますよね。
月食は三日月とは違うのでしょうか?
正解は、まったく違います!
ヒントは「月は丸いボールの形をしている」、そして「月は自分で光を放っているのではなく、太陽に照らされて光って見えている」ということ。(※2)
満月は、太陽に照らされている部分が大きいので丸く見えますが、三日月は太陽に照らされている部分が小さいので欠けて見えます。
つまり三日月の暗い部分は、「太陽に照らされていないから暗く見える」のです。
これに対して月食の暗い部分は、「太陽に照らされて光ってはいるけれど、そこに地球の影が映って暗く見える」のです。(図2)
図2.「月食」のときに月に映った地球の影
よく見ると、普段の月の満ち欠けと月食とでは、欠けていくときの形が少し違っています。月食の暗い部分は地球の影。月食のときに月に映る影の形を見れば、地球は丸いということがよく分かりますね。
このほか、金星が月に隠される「金星食」、木星が月に隠される「木星食」なんていうのもあるんですよ。(※3)
イラスト:高部哲也氏
《サニーちゃんのお天気メモ》
※1 だから、場所によって見えるところと見えないところがあるの。
※2 太陽は自分で光っているの。地球や惑星(木星・金星など)は自分では光っていないよ。
※3 2012年8月14日の早朝、日本で「金星食」が見られるよ。望遠鏡があれば、
金星が月でかくれんぼする様子が分かるよ。
リンク:気象庁「宇宙から見る月の影」
http://www.jma-net.go.jp/sat/data/web/suneclipse_observation.html
衛星「ひまわり」から見た日食のときの地球。
動画で見ると、地球上を月の影が移動していく様子がよく分かります。
6月4日は部分月食、6月6日は金星の日面通過。
天文イベントが目白押しですね!!!
ピノキオ21号様>飛行機雲から5ヶ月も過ぎてしまいましたが、今が旬の話題からリスタートです。今後とも、このコーナーの盛り上げ支援・・・よろしくお願いします。