誰かと並んで

「人とお話しするときは
 目やお顔を見ましょうね!」

そう言われたこと、ありませんか?

奥ゆかしいとされる日本人。
そういうこと、ちょっと苦手・・・
恥ずかしいな、と思う方も多いのでは?

日本の浮世絵には、母と子が並んで
同じものを見つめているという構図が
多く描かれている、という話を聞きました。(※1)

 
風流東姿十二支 戌

日本映画でも、二人ないしは多くの人々が
並んで同じものを眺める、という描写が多くみられるそうです。

言われてみれば、思い浮かぶ場面、ありますよね?

一方、西洋の絵画では、同じ母と子の描写でも
互いにアイコンタクトを取っているものが多いとか。

ラファエロ作 美しき女庭師(聖母子と幼児聖ヨハネ)

赤ちゃんをあやす時って
ママは向き合って顔を見て話しかけます。

少し大きくなり、
抱っこやおんぶができるようになってきて
言葉も通じあうようになると

「あ!あれ見てごらん!
 きれいだねー♪」

そんな会話になっていきます。

絵本の読み聞かせもそうですね。

互いの目や顔をみてはいないのに
同じ対象を、並んで一緒に見つめているだけで
感情が通じ合っている(メモ1)

そういう共有体験が
子どもの基本的自尊感情の形成に
とても大切なのだそうです。(※2)

浮世絵に見られるように
日本人は以前から、
そういうことを無意識に自然にやっていたんですね。

それって、すてきなことじゃないですか?
感性豊かな証拠のように思います。

私たち、サニーエンジェルスの合言葉は
「空を見上げるお母さんを増やそう!」です。

そのお母さんの横には、未来を担うお子さんたちがいて
一緒に空を見上げていてほしい。
そういう願いも込めていました。

私たちの願っていることが
日本人の素晴らしい特質に合っていたような気がして
うれしかったです。

忙しい毎日ですが、
お休みの日にでも
ほんのひとときでもいいです。

お子さんや家族、友人など
大切な人たちと・・・

誰かと並んで
美しい空や素晴らしい景色を
眺めてみませんか?


(※1)北山修編(2005)『共視論』 講談社選書メチエ
(※2)近藤卓(2007)いのちの教育の理論と実践、金子書房

 

《サニーちゃんのお天気メモ》

(メモ1)
虫の声・鳥の囀り・川のせせらぎ・波音・雨音・風音・・・
日本語は母音文化だそうで、その使い手である私たちは、
右脳で「音(非言語音)」として捉えているのではなく、
左脳で「声(言語音)」として捉えているようなのです。

外国人には、単なる「雑音」なのかも知れませんが、
私たちには、大切な「言葉」「会話」なんですね!

こんな礎の上に築かれた自然を愛でる心・共感する心、
風流・風雅・風情・・・日本文化が育むステキな感情です。

<1号>

 

 

 

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