「今日は天気もよく絶好の行楽日和ですねぇ」・・・よく耳にする会話ですね。
何気なく使うこの「日和(ひより)」という言葉には、「晴れたよい天気。晴天。また、何かをするのに丁度良い天気」という意味があります。
例年、10月下旬~11月上旬には、冬の訪れ(図1)の予告編として「木枯らし1号(※1)」が吹き、その後「西高東低の気圧配置(※2)」になる日と、大陸からの「移動性高気圧(※3)」に覆われ穏やかに晴れる日が交互に現れるようになります。12月上旬までの間で後者のように穏やかに晴れる日を特に「小春日和(こはるびより)」と言います。晩秋の好天を春とダブらせる・・・字を見るだけで暖かさを感じる素晴らしい言葉ですよね。ただし、俳句では冬の季語になっていますし、決して春に使う言葉ではありません。(図2) ⇒ 図は、いずれもクリックすると大きく見ることが出来ます。
その他にも、
「秋日和(秋の良く晴れて爽やかな天気)」
「冬日和(穏やかに晴れた冬の日)」
「菊日和(菊の花が咲く頃の好天気)」
「麦日和(麦の播種や刈入れに良い日和)」
「霜日和(霜が降りたあとの晴天)」・・・
数々の言葉がありますが、いずれも、その季節や時季を簡潔に、しかも見事にイメージする言葉だと思います。
ところで、「日和」には、もう一つ「空模様。天気。物事の成り行き。雲行き。形勢」という意味もあります。
「俄日和(にわかびより=降っていた雨が急にやんで、晴れること)」
「一石日和(いちこくびより=定まらない天候)」
「狐日和(きつねびより=晴れているかと思えば雨が降ったりするような天気)」
⇒これは「狐の嫁入り」を連想しますねぇ。
いずれも、穏やかな好天を表しているのではなく、判断に迷うような天気を表しているように思います。そこから「日和見主義(ひよりみしゅぎ=形勢を窺って自分の都合の良い方に着こうと二股をかけること)」という言葉になったのでしょうか。これは、あまり爽やかな響きではないですね。
ともあれ、私たちは、何かイベントがある日や何かをしようとする日は、穏やかな好天になって欲しいと思いますよね。こんなときは「日和申し(ひよりもうし=晴天になるように神に祈ること)」で神頼みしてみましょう。
言葉の意味は、いずれも<Yahoo!辞書>より引用しています。
《サニーちゃんのお天気メモ》
(※1)東京地方で「木枯らし1号」になるには、以下の条件があるんだよ。
10月半ば~11月末の間で、西高東低に気圧配置になり、最大風速8m/秒以上の西北西
~北の風が吹くこと
(※2)日本を中心として、西の方から高気圧が張り出し、東の方には低気圧がある気圧配置で、冬型とも言うんだよ。
(※3)温帯低気圧と交互に東に移動していく高気圧(気象庁より)で、中心の東側中心に穏やかな好天だけど、朝の冷え込みが厳しく、霜が降りることもあるよ。
<ゼフ>