三寒四温乗り越えて~春が来た!

暖かい日が多くなってきましたね♪
気温が10度を割り込むのは深夜から明け方の一番寒い時間帯だけで、
日中に10度を下回わる日は殆ど無くなってきて日差しにも暖かさを感じ、
良く晴れた日は特にホッとできる時間が多くなってきたのではないでしょうか。

暦では春の訪れは立春とされていますが、実はこの頃はまだとても寒い時期で、
平年値で見ても、1月下旬ごろから2月上旬が最低気温の底となっています。
この頃には、まだ春の訪れを実感できるものはかなり少なくて、
日向でも、オオイヌフグリタンポポが咲いている事は滅多にありませんが、
この頃から気象的には少しずつ変化が始まっていて、
晴れた日には、日差しに変化も感じられるようになってきます。(※1)

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以下のグラフは、自宅付近(奈良県北西部)の気温変化を記録したものです。

2015年11月から2016年3月までの日ごとの最高/最低気温(屋外)を表していて、
11月から1月頃までの間、気温は上下しながらも下り勾配が見て取れますが、
日ごとの差はさほど大きくなく推移し、1月下旬頃が気温の底?という感じです。
そして、立春前後から気温は上り勾配に変わるのですが凸凹も目立ってきますね!

気温の凸凹(振れ幅)は晩秋から真冬の間より、2月頃の方がずっと大きいようで、
12月下旬~1月下旬頃には殆ど無かった日中の最高気温20度以上という気温が、
現れたかと思ったらすぐまた10度前後まで下がったりする中で…
特に高い気温が現れた次の日が低い事が多く、落差がとても激しく、
まるで気温のジェットコースターです。

そして、まだ寒い立春の頃に20度を超える様な気温が現れる事で、
「温暖化の影響?」「今年は暖冬だから春が早く来たのかな?」
「やっぱり最近の異常気象?」と思われる方も多いようですが…安心してください!
これは、春先に通過する低気圧の影響で、実は普通の事なんです!

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別の視点も加えて、南関東・横浜の2月中旬を集中して見てみましょう。
以下は、今年の春一番が吹いた前後の気温・気圧変化と天気図です。



まず、グラフと2月14日の天気図と合わせて見てみますと、
14日に横浜は低気圧の暖域(※2)と言われる部分にあって、
暖かい南寄りの風が入っていますが、前日13日中頃から風向が南寄りに変わり、
気温(赤いライン)の急上昇と、気圧(青いライン)の急下降がはっきり分かりますね。

そして、気温ピークの14日後半、同じ頃に最低気圧を記録した直後に、
風向が北寄りに変わって気温が急下降、逆に気圧が上昇に転じています。
さらに、15日の天気図では、寒冷前線(※3)が通過したことも分かりますし、
また、大きな範囲で見てみますと、いわゆる「西高東低」と言われる、
西に高気圧、東に低気圧がある「冬型」になっているのも分かりますね。

低気圧は、周辺の空気が中心に向かって反時計回り(左回り)に動きますので、
低気圧が進む前面では、総じて南寄りの風、後面では北寄りの風になります。
低気圧が西から東へ進むと、まずは南寄りの風、通過後、北寄りに変わりますが、
この風の影響はとても強力で、暖かい南寄りの空気が入ってきて気温は急上昇、
低気圧通過後に北寄りの風になり大陸の冷たい空気が入ってきて気温は急下降、
これが、この春先の気温のジェットコースターの正体です。

急に暖かくなって、春が来たと思ってホッとしていたら、また急に真冬の気温に…
ヤキモキしつつ、きっと桜や梅もこんな気持ちで春を待っているのでしょうね。

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昔から、春先のこの時期を、
三寒四温と言う言葉で表していますが、広辞苑では、
『3日ほど寒い日が続いた後に4日ほど暖かい日…それを交互に繰り返す現象』、
別の解釈では『春になる前には3回ほど寒い時期があって4回ほど暖かくなる』とも…
まさに、この現象にピッタリの言葉ではないでしょうか~そして、
これは昔から認知されていて、春の訪れを告げるものと理解されていたのですね。

三歩進んで二歩下がる…そんな三寒四温を繰り返してヤキモキしている間に、
いつの間にか桜舞い降りる春本番がやってくるのです。
桜ひらひら舞い降りて落ちて♪~今は、まさに気温の春
でも、ここまでの気温は単に右肩上がりの上昇ではなく凸凹感が満載…
春に向かって産みの苦しみ紆余曲折~こんな苦難の道のりがあったのです!

普段は気温の変化や、植物や動物の動きから春を感じる事が多いですが、
春爛漫・百花繚乱…などなど、本格的な春を告げる言葉も…
日本では、こんな素敵な言葉で春を感じる事も出来るんですね(^_^)

 


<サニーちゃんのお天気メモ>

(※1)過去の記事「心の春を感じましょう!」も参考に見てね(^^♪

(※2)暖域って何でしょう?
低気圧に伴われた温暖前線と寒冷前線に挟まれた暖かい南風が吹き込むエリア
(名前のとおりなんだね♪)…低気圧の南側にあたる部分なんだよ!

(※3)寒冷前線って何でしょう?
低気圧の後方、寒気⇒暖気に向けて進む前線で積乱雲による強い雨が降り易いよ!
(一方、前方の温暖前線は、暖気⇒寒気に向けて進んでシトシト雨が降り易いよ)

 

<45号>

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