昨年末、気象予報士が演じる劇を観させていただく機会がありました。
その余韻を噛みしめながら歩いた帰り道に、昔々その昔、小学校低学年の学芸会で、イソップ寓話の「北風と太陽」でコートを脱がされる旅人の役を演じたことを、何故かとても鮮やかに思い出しました。
「あれ?その頃から気象に関係あることしていたんだ?」・・・およそ半世紀ぶりに、今を生きる自分のルーツを感じた気がして、ビックリした瞬間でした。
ご存知のように、この寓意は「人を動かすならば、強制する(北風型)よりも、その人自らが動くように働きかける(太陽型)のほうが良い」と言うことだと思いますが、皆様は、どう思われますか?
そして、どちらの型でしょうか?(信長型・秀吉型・家康型の選択に近いものもありますね)
さて、今は一年で一番寒く、コートの襟を立てて、北風に対決を挑んでいる時季ですね。
それでも、2月初めの<立春>(注1)以降は、徐々に春が見えてきますので、もう暫くの辛抱です。
では、その辛抱の先にあるものを思い起こして、想像してみましょう。
まずは、早春賦で歌われる「春は名のみの風の寒さや♪」は、今風に言えば「暦の上では春ですが、まだまだ冬将軍が居座り・・・」ということでしょうが、それでも、太陽高度は徐々に高まり、日差しも強くなり始めて「光の春」が訪れます。(注2)
その後「春一番」が吹き、「三寒四温」を繰り返しながらも、<雨水(うすい)><啓蟄(けいちつ)>の頃からは雪解けや小鳥の囀りを連想する「音の春」に入り、「暑さ寒さも彼岸まで」の<春分>過ぎからは、いよいよ春本番「気温の春」になっていきます。(注3)
私たちは、この頃になって、漸くコートを脱ぎますよね・・・やはり、太陽の勝ちです。
如何でしょうか? 一筋の光というか希望が見えた気がしませんか?
今の時季は、そんな想像をするだけで心が温まりますが、さらに「光の春」「音の春」「気温の春」などの素敵な日本語表現に触れることで、春の情景や希望感を瞬時に思い浮かべることが出来て、体の内側にホンワカした春・・・そう「心の春」を感じるようになると思うのです。
私には、象形文字ならぬ「情景文字(造語)」なんて言葉さえ浮かんで来ます。
思わず、「~重いコート脱いで出かけませんか。もうすぐ春ですね~♪」という歌も口ずさんだりして、何か楽しい気持ちになりますよ。
寒くても・暑くても、その次には必ず心地よい季節が訪れます。
日本には素晴らしい四季があり、私たちは、このようにして、その移ろいを身近に感じることが出来るのです。幸せなことですよね!
《サニーちゃんのお天気メモ》
(注1)<立春>を始めとした<>付の言葉は、二十四節気の呼び方だよ。
詳しくは以下(過去のお天気コラム)をクリックしてね。
http://sunny-angels.jp/blog/?m=201209
(注2)<立春>の頃は、<冬至>の頃に比べて、50分ほど昼間が長くなっているんだよ。
(横浜のデータ)
(注3)平均気温は、<立春>から<春分>まででは、4℃ほどの上昇に留まるのに対し、
<春分>から<立夏>まででは、倍の8℃近くも上昇するんだよ。 (横浜のデータ)
<ゼフ>