同じ太平洋側の雪でも…

季節は、寒の内(※1)
この冬は暖冬傾向だと感じていた方も多かったと思いますが、
一番寒い時季を待っていたかのように寒波が到来しましたね。

強い冬型気圧配置は日本海側に雪を降らせますし、
その隙間を縫うように走り抜ける南岸低気圧は、
太平洋側にも多くの雪を降らせることがあります。
その仕組みは、以下のコラムも参照してください。
□□↓↓↓
<季節風の話>
http://sunny-angels.jp/blog/?m=201212

<南岸低気圧の話>
http://sunny-angels.jp/blog/?m=201301

<すじ状の雲の話>
http://sunny-angels.jp/blog/?m=201412


下図のように、今年1月18日明け方には、
南岸低気圧により横浜で積雪があり、
また、1月20日朝には、
冬型気圧配置により名古屋で積雪がありました。
□□↓↓↓


上図の赤枠青枠で、何か違いに気づきませんか?

どちらも3時間での降雪・積雪(※2)で比べると、
次のような違いがありますね。

①    積雪深 ⇒ 横浜:5cm名古屋:9cm
②    降水量 ⇒ 横浜:15.5mm名古屋:5.0mm(※3)
③    気温 ⇒ 横浜:0℃台名古屋:氷点下
④    雪水比 ⇒ 横浜:0.3cm/mm名古屋:1.8cm/mm
雪水比(ゆきみずひ)は次のように計算します。
□□↓↓↓


雪水比
とは、降水1mm当たりの降雪量(cm)で、
小さいほど積もる効率が悪く、
大きいほど積もり効率が良い…つまり、
小さいほど水分が多い雪(湿った雪=ボタン雪イメージ)
大きいほど水分が少ない雪(乾いた雪=粉雪イメージ)

南岸低気圧による関東地方の雪は、
地上の気温が0℃~1℃で降ることが多く、
雪水比0.5前後が大半で、重い雪ゆえに、
着雪・電線断・落雪・凍結などの影響が出やすい。

一方で、同じ太平洋側でも、名古屋は、
強い冬型気圧配置で琵琶湖や関ケ原を通り抜けた雪雲、
その影響での降雪が多く、雪水比1.5を超える。


たかが雪・されど雪…こんな違いも意識して、
雪のたびに雪水比を計算したり考察することも、
気象や天気に興味を持つキッカケになるのかも!

 

《サニーちゃんのお天気メモ》

(※1)寒の内
□□二十四節気の小寒~大寒~立春前日(節分)までの時季
□□小寒:寒の入り~寒の内(寒中)~立春:寒の明け
今年は、1月6日~2月3日までが、寒の内なんだよ!

(※2)降雪・積雪
□□降雪量 ⇒ その時間内に新しく積もった(積もる)雪の量
□□積雪量 ⇒ 自然の状態でのその時刻の雪の深さ
□□雪の重さで圧縮されたり、太陽熱や雨で溶けたりして、
□□積雪量は変化するんだよ!

(※3)降水量
□□降水量 ⇒ 雪を雨量計で溶かして降水量として観測
□□雨量計にヒーターなどが付いてるんだよ!

<ゼフ>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です