赤とんぼはバカンスがお好き?

ゆうやけこやけの赤とんぼ♪

という童謡でおなじみの赤とんぼ。

暑さもひと段落する9月頃から、
みなさんのお近くでも
みられるのではないでしょうか?(※1)(※2)

実は、赤とんぼって
国内だけでも20種ほどいます。
「赤くない赤とんぼ(アカネ属)」や
「赤とんぼ(アカネ属)ではない赤いとんぼ」
もいて、結構ややこしいんです。

そんな赤とんぼの代表格といえば、アキアカネ

なんと!このアキアカネ
夏の暑い時期には、高い山の上で
「避暑」しているのですって!ご存知でしたか?

夏に高地で過ごす理由には諸説あるのですが
3000m級の山々まで飛んでいくものもあるそうです。

羽化するのは6月ごろ。平地の水田や沼などです。

そこから、あんな小さな体で
3000mもの高さまで飛んで行くなんて、すごいですね!

そして、羽化したてのアキアカネの体は
赤くはなく橙色をしています。

高い山の上で涼んでいる(?)間に成熟して
きれいな赤色の体になり
涼しくなった頃、平地にもどってくるのです。

まさにお山の上でバカンス?

これからの季節、アキアカネを見かけたら
遠くの山からおかえり!
と声をかけてあげてくださいね。

ちなみに、アキアカネには
ナツアカネというそっくりさんがいます。

真夏に平地で赤とんぼを見かけたら
ナツアカネかもしれません。(※3)


《サニーちゃんのお天気メモ》

(※1)アキアカネは個体数が激減しているという報告もあるのよ。ちょっと心配ね・・・

(※2)アキアカネは気象台の生物季節観測の選択種目の一つなのよ。
みなさんのおうちの近くでは、いつごろかしら?参考にしてね。

(※3)アキアカネとナツアカネの見分け方
そっくりなので、難しい!でも、一番確実なのは、胸の模様よ。

でも、これでは捕まえてみないと分からないわね。
トンボは比較的捕まえやすいと思うけど、観察したら放してあげてね。
(おうちで飼育するのは難しいです。)
☆宮本拓海 いきもの通信Vol.428「アキアカネとナツアカネの判別方法」
http://ikimonotuusin.com/doc/428.htm

 <1号>

 

気温を言葉や図式で感じよう!

〇〇℃・・・直接温度計の表示を読む機会よりも、最近では、
猛暑日・真夏日・夏日・熱帯夜・冬日・真冬日などの
日本語(漢字)で表現する機会が多くなったような気がします。

それぞれ、以下のような意味合い(定義)があります。
猛暑日 : 一日の最高気温が、35℃以上の日
真夏日 : 一日の最高気温が、30℃以上の日
夏  日 : 一日の最高気温が、25℃以上の日
熱帯夜 : 夕方から翌日の朝までの最低気温25℃以上の夜
冬  日 : 一日の最低気温が、0℃未満の日
真冬日 : 一日の最高気温が、0℃未満の日

機械的な数値より日本語で表現する・・・
やはり、日本人は直接的な表現よりも間接的・婉曲的な表現を好み、
それで瞬間的に情景を感じ取ることが出来る素敵な民族なのですね。
日本語表現で、暑さや寒さも和らいで感じているかも知れません。

このうち、猛暑日は2007年4月から新しく使われ始めた言葉で、
それまでは、すべて真夏日の範疇だったのがさらに細かく分けられました。
このように、時代や気候の移り変わりで新たな括りが出て来ても、
それがまた、わりと心地よく文化になって根付いていくのです。

そして、これからは、気温40℃超えの時代が到来するでしょうか?
これ以上、暑さを感じる言葉が増えるのは遠慮したいですが、
仮に増えたとしても、たやすく受け入れられるでしょう。(※1)

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気温データを眺めていると面白い事象に出会うことがあります。
たとえば、北海道の中徹別(ナカテシベツ)で2009年4月30日に、
最低気温-2.7℃最高気温27.3℃を記録しました。
一日の中で、冬日夏日を両方記録するという珍しい日でした。

その他、観測史上の順位として、こんなデータもありました。
①  最高気温の最高:41.0℃(2013年8月12日 高知県江川崎)
②  最高気温の最低:-32.0℃(1936年1月31日 静岡県富士山)
③  最低気温の最高:30.8℃(1990年8月22日 新潟県糸魚川)
④  最低気温の最低:-41.0℃(1902年1月25日 北海道旭川)
・・・なんと、日本の最高気温も最低気温も、
プラス・マイナスはありますが、41℃なのですね!

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最後に、昨年の夏は暑かった・・・と言われていますが、
グラフや図で比較・検証してみましょう。
(下の画像をクリックして拡大してご覧ください)

上が昨年(2013年)、下が今年(2014年)、それぞれ、
6月1日~8月15日までの日ごとの観測地点の数です。(※2)

なお、右側の日本地図は、上が昨年6月~8月の3か月間、
下が今年7月19日~8月15日の4週間と期間が違いますが、
平均気温の平年差を表しています。

どうでしょうか。
猛暑日・真夏日の観測地点の数でも平均気温の平年差でも、
全体的には、昨年の夏が暑かったことを示しているようですが、
たとえば、6月上旬7月下旬~8月上旬にかけては、
今年の方が暑かったこともわかります。

〇〇℃・・・こんな数字の並びだけではわかりづらいことも、
観測地点の数に注目したり、分布を図式化したり、
ちょっと見方や発想を変えるとわかりやすくなります。

言葉で感覚的に暑さ寒さをイメージするのはもちろん、
きっと、こんな工夫も日本人の得意技ですよね。

 

《サニーちゃんのお天気メモ》

(※1)猛暑日という新区分が出来る前に、酷暑日という呼び方が非公式に使われていたそうよ。もし、今後増えるとしたら・・・如何にも暑そうな炎暑日極暑日なども候補になるかな?(イヤだけどね)

(※2)全国の地域気象システム(アメダス)の観測地点は1300か所くらいあるんだけど、そのうち気温観測が可能な地点は930か所近くあるのよ。なので、2013年8月11日に297か所で猛暑日を観測したということは、全国の約3分の1近くにも及んだということになるのね。

 

<ゼフ>

いずれあやめか、かきつばた?        花しょうぶも忘れずに!

雨の季節ですね。

雨に似合う花といえば、
まずは、紫陽花(あじさい)(注1)かも知れませんが、
何か忘れちゃいませんか?・・・ということで、
みなさんのお近くでも、
花しょうぶが見ごろを迎えている頃かと思います。
日本各地で、花しょうぶ祭りも開催されていますね。
<写真①>

<写真②>


<写真③>


<写真④>(注2)

実は私、前から、混乱していました。

しょうぶ
花しょうぶ
あやめ
かきつばた
アイリス
・・・

<何れ菖蒲(あやめ)杜若(かきつばた)
しょうぶあやめも漢字で「菖蒲」と書きますし、
どれも、似たお花を指しますよね。
何が違うの??どう見分けるの?

そもそも、しょうぶ花しょうぶは、まったく違います。
こちらがしょうぶ5月5日に菖蒲湯に入れる葉っぱですね。
<写真⑤>

葉っぱは、花しょうぶとそっくりですが
サトイモ科で、紫色でなく黄色い花が咲きます。

一方、他の花
花しょうぶ
あやめ
かきつばた
は、全てアヤメ科アヤメ属

アイリス(iris)というのは、アヤメ属の英名なのですね。
だから、花しょうぶあやめも、かきつばも、
英語ではアイリスです。

園芸種でおなじみなものに
ジャーマンアイリスというものもあります。

では、本題。
どうやって見分けるのでしょう?
一番簡単な方法は
花弁の元を見ることです。

あやめは、網目模様が特徴的。
<写真⑥>

<写真⑦>

花しょうぶは黄色の模様が見えます。
<写真⑧>

かきつばたは白の模様。
<写真⑨>

どうですか?違い、分かりますか?

その他、咲く場所も違います。
あやめは畑のような乾燥地を好み、
かきつばたは水辺などの湿地帯、
花しょうぶはその中間で畑地でも湿地でもOK。

背丈でも
あやめが一番背が低く、花しょうぶは背が高めなど見分けられますが、
花弁の元の違いが一番分かりやすそうです。

見分けられると、ちょっと嬉しいですよね。

なお、今回の<写真①~⑧>につきましては、
サニーエンジェルス会員の皆様が全国各地で、
撮影された写真を使わせていただきました。
ご提供いただきました皆様、ありがとうございました。
<写真⑨>につきましては、
お花の写真集(http://www.flower-photo.info/)から
取得しています。

 

 

<サニーちゃんの一口メモ>

有名な絵画をご紹介! 

ゴッホ作 アイリス
 

尾形光琳『燕子花図』(かきつばた ず)
 

(注1)1年前のお天気コラム「紫陽花のひみつ」も見てね!
http://sunny-angels.jp/blog/?m=201306

(注2)左の写真は「野生種」ですが、
右の写真は今出回ってる花しょうぶの「原種」、つまりルーツだそうです。
この原種をもとに、マニアの方が品種改良しまくった結果、
今や、ものすごい数の種類(1000種以上)花しょうぶ存在するんですね。

<1号>

白い雲 ~光と散乱を考えよう!

「草原に寝転んで、一日中、空を見上げていたいなぁ」

今年も、そんな衝動に駆られる季節がやって来ました。
青空に浮かぶ白い雲の七変化を目で追いながら、想像力を逞しくしつつ、
ゆるりと物思いにふける・・・そんな贅沢を味わってみたいものです。

でも、何故、雲は白っぽく見えるのでしょうか?
それは、ヤカンから出る湯気が白く見えるのと同じ理由です。(※1)

光は、物質にぶつかると散乱(いろいろな方向に向きを変えること)します。
光(可視光)の波長(※2)と、ぶつかる物質の大きさ(直径)が同じ程度か、
波長より少し大きめの場合、全色が等しく同じように散乱する性質があり、
その光が全部重って、その結果で白く見えるということなんです。
雲や湯気は水滴で出来ていますが、この水滴の大きさが可視光の波長と、
同じ程度か少し大きめということなんですね。

「えっ? 絵の具を混ぜたら黒くなるよね?」

確かにそうですね。
「光」を混ぜると光の量が増えて白色に近づきますが、
「絵の具」を混ぜると吸収によって光の量が減って黒色に近づきます。
たとえば、赤い絵の具は赤以外の光を吸収して赤色に見えますが、
次に赤以外の色を重ねると、その赤色も吸収されてしまいます。

「光」は、足し算で明るくなり白色、
「絵の具」は、引き算で暗くなり黒色なのですね!

以下、~ご参考まで~
光の三原色である赤(Red)緑(Green)青(Blue)
「光」と「絵の具(イメージ)」で重ねたときのものです。


では、日中、
空が青く見えるのは?
夕焼けが赤く見えるのは?

これらも、光の波長と散乱の関係なんでしょうか?



答えは、またの機会ということにしますので、
以下のヒントを手掛かりにでも、ちょっと調べてみましょう!
きっと、面白いことが判りますよ~。

<ヒント>
青:波長が短い赤:波長が長い
可視光の波長と通過層の距離に関係がありそう?
この実験結果が何かを物語っています。

【実験】
ペットボトルに水を満たし、そこに、
大気粒子に見立てた数滴のフローリング用コーティング剤(※3)を入れて、
薄く白濁する程度に良く混ぜます。
ペットボトルの側面から光を当てて反対側から見ると青白く見えます。
(これは、青空のイメージ
底面から光を当てて上方を見ると赤っぽく見えます。
(これは、夕焼けのイメージ

 

《サニーちゃんのお天気メモ》

(※1)ヤカンから噴き出る白い湯気の部分が水蒸気だと思われる方も多いと思いますが、水蒸気は気体で目に見えません。吹き出し口から白い湯気までの間の見えない部分が水蒸気で、それが急速に冷えて水滴(液体)になって白く見えます。

(※2)波の山(谷)から隣の山(谷)までの長さを「波長」と呼んでいて、その長さの違いが色の違いです。人間の目に見える光(可視光)の波長は、ほぼ、380nm~780nm(ナノメートル=100万分の1ミリメートル)の範囲で、波長の短いほうから、です。

(※3)今回はフローリング用コーティング剤を使用しましたが、代わりに牛乳でも実験可能です。多少色合いが判り辛くなりますが、安全性を考えると牛乳がお勧めですよ

 

<ゼフ>

 

 

 

誰かと並んで

「人とお話しするときは
 目やお顔を見ましょうね!」

そう言われたこと、ありませんか?

奥ゆかしいとされる日本人。
そういうこと、ちょっと苦手・・・
恥ずかしいな、と思う方も多いのでは?

日本の浮世絵には、母と子が並んで
同じものを見つめているという構図が
多く描かれている、という話を聞きました。(※1)

 
風流東姿十二支 戌

日本映画でも、二人ないしは多くの人々が
並んで同じものを眺める、という描写が多くみられるそうです。

言われてみれば、思い浮かぶ場面、ありますよね?

一方、西洋の絵画では、同じ母と子の描写でも
互いにアイコンタクトを取っているものが多いとか。

ラファエロ作 美しき女庭師(聖母子と幼児聖ヨハネ)

赤ちゃんをあやす時って
ママは向き合って顔を見て話しかけます。

少し大きくなり、
抱っこやおんぶができるようになってきて
言葉も通じあうようになると

「あ!あれ見てごらん!
 きれいだねー♪」

そんな会話になっていきます。

絵本の読み聞かせもそうですね。

互いの目や顔をみてはいないのに
同じ対象を、並んで一緒に見つめているだけで
感情が通じ合っている(メモ1)

そういう共有体験が
子どもの基本的自尊感情の形成に
とても大切なのだそうです。(※2)

浮世絵に見られるように
日本人は以前から、
そういうことを無意識に自然にやっていたんですね。

それって、すてきなことじゃないですか?
感性豊かな証拠のように思います。

私たち、サニーエンジェルスの合言葉は
「空を見上げるお母さんを増やそう!」です。

そのお母さんの横には、未来を担うお子さんたちがいて
一緒に空を見上げていてほしい。
そういう願いも込めていました。

私たちの願っていることが
日本人の素晴らしい特質に合っていたような気がして
うれしかったです。

忙しい毎日ですが、
お休みの日にでも
ほんのひとときでもいいです。

お子さんや家族、友人など
大切な人たちと・・・

誰かと並んで
美しい空や素晴らしい景色を
眺めてみませんか?


(※1)北山修編(2005)『共視論』 講談社選書メチエ
(※2)近藤卓(2007)いのちの教育の理論と実践、金子書房

 

《サニーちゃんのお天気メモ》

(メモ1)
虫の声・鳥の囀り・川のせせらぎ・波音・雨音・風音・・・
日本語は母音文化だそうで、その使い手である私たちは、
右脳で「音(非言語音)」として捉えているのではなく、
左脳で「声(言語音)」として捉えているようなのです。

外国人には、単なる「雑音」なのかも知れませんが、
私たちには、大切な「言葉」「会話」なんですね!

こんな礎の上に築かれた自然を愛でる心・共感する心、
風流・風雅・風情・・・日本文化が育むステキな感情です。

<1号>

 

 

 

「生命(いのち)の定点観測」を!

今からウン十年も前、私が子供だった頃の話し・・・
毎年、3月も半ばなると、故郷の里山にある小高い山に登って、
春の女神春の妖精に出会うことが楽しみでした。
新たな生命の息吹に接することで「春」を感じたものです。
当時の写真はありませんが、宜しければ、このサイト(※1)の写真をご覧ください。
何ともステキな2ショットですよね!

春の女神とは、ギフチョウという蝶。(文字どおり、岐阜県で発見されました)
春の妖精とは、カタクリという花。(文字どおり、昔は片栗粉の原料でした)

ウグイス春告鳥とも書きますが、上記それぞれを春告蝶春告花と書いてもいいでしょ!
そう感じさせるほど、よくフィットしているように思います。

「今年はまだだね」「今日初めて見たよ」・・・
私にとっては歳時記そのもので、懐かしい思い出のひとつですが、
今、皆さんは、何に春の訪れを感じていますか?

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サクラ(ソメイヨシノ)の開花で春を感じている方も多いと思いますが、
今年の開花は早いの?遅いの?と、気がもめる時季ですよね。

ウグイスの声って最近聴くことが減った気がするし、
モンシロチョウもなかなか見かけないかな?などと考えさせられることも多いような・・・
一度、昨年3月のお天気コラムでも見直して、いろいろ再確認してみるのもいいですよね!
(※2)

実際、以下のように、横浜の3月の平均気温を過去100年以上並べてみると、ジグザグしながらも、
赤直線で示すように、傾向は右肩上がりで2℃少々上がっているように見えます。
(気象庁データよりグラフ化)


防災講座でも話題にすることがありますが、理由はさておき、
このような過去からの気温変化の実績を見ると都市化や温暖化の波は確かに来ているようで、
おそらくは、その結果で、南方の蝶も北上しているのではないでしょうか。
実際、以下の蝶は、今では、私の故郷の愛知県東部地方で普通に見られるようになったのですが、
私が過ごした頃には、絶対に見られませんでした
(写真:鈴木利明氏)

ツマグロヒョウモンは、昨年、横浜の動物園ズーラシアでも目撃して、写真に収めました。
ちなみに、この蝶は雌雄の色合いが違いますので、上下の写真で比較してみてください。
「ツマが黒くて豹柄の紋様=褄黒豹紋」・・・特に♀の写真で納得(判り易い)ですね。


このように、小さな生命たちを観測し続けると、季節の移ろいは勿論のこと、
気候の変化や傾向をも感じることが出来ますし、それに加えて、
考えを改めること・初めて気付くこと、そして納得出来ることも多いのです。(※3)

日本には、素晴らしい四季があるのだから・・・
単にカレンダーの進み具合だけでなく、気温や日差しの変化に加えて、
あなただけの小さな生命を決めて、それを定期的・定点的に観測することで、
季節を感じてみては如何でしょうか。

~あなただけの「生命(いのち)の定点観測」~ お勧めです!


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《サニーちゃんのお天気メモ》

(※1「しずおか感動体験の旅(しず旅)」のページ。
トップページへのリンクなので、目的のページは以下の手順で。
ちょっと手間だけど、よろしくね!
①トップページ中ほど「条件指定検索」のフリーワード欄に、
「ギフチョウ」と入力(コピペ)して下の「検索する」ボタンを押す。
②検索結果の「ギフチョウ」の写真か「4月6日・・・」のリンクを
クリックして出てくるページで、右側の小さ目の写真~
上から2番目が綺麗なので、写真をクリックして拡大してね!
http://shizutabi.jp/


(※2昨年3月のお天気コラムは、コチラからどうぞ。
気象庁のホームページに「生物季節観測の情報」もあるんだよ。
http://sunny-angels.jp/blog/?m=201303


(※3たとえば、環境省生物多様性センター「いきものみっけ」や、
「いきものログ」のホームページを参照して、生物名で検索すると、
分布の北上や土着性の報告なども見られて、いろいろ面白いよ


<ゼフ>



 

「心の春」を感じましょう!

昨年末、気象予報士が演じる劇を観させていただく機会がありました。

その余韻を噛みしめながら歩いた帰り道に、昔々その昔、小学校低学年の学芸会で、イソップ寓話の「北風と太陽」でコートを脱がされる旅人の役を演じたことを、何故かとても鮮やかに思い出しました。
「あれ?その頃から気象に関係あることしていたんだ?」・・・およそ半世紀ぶりに、今を生きる自分のルーツを感じた気がして、ビックリした瞬間でした。

ご存知のように、この寓意は「人を動かすならば、強制する(北風型)よりも、その人自らが動くように働きかける(太陽型)のほうが良い」と言うことだと思いますが、皆様は、どう思われますか?
そして、どちらの型でしょうか?(信長型・秀吉型・家康型の選択に近いものもありますね)


さて、今は一年で一番寒く、コートの襟を立てて、北風に対決を挑んでいる時季ですね。
それでも、2月初めの<立春>(注1)以降は、徐々に春が見えてきますので、もう暫くの辛抱です。

では、その辛抱の先にあるものを思い起こして、想像してみましょう。
まずは、早春賦で歌われる「春は名のみの風の寒さや♪」は、今風に言えば「暦の上では春ですが、まだまだ冬将軍が居座り・・・」ということでしょうが、それでも、太陽高度は徐々に高まり、日差しも強くなり始めて「光の春」が訪れます。(注2)

その後「春一番」が吹き、「三寒四温」を繰り返しながらも、<雨水(うすい)><啓蟄(けいちつ)>の頃からは雪解けや小鳥の囀りを連想する「音の春」に入り、「暑さ寒さも彼岸まで」の<春分>過ぎからは、いよいよ春本番「気温の春」になっていきます。(注3)
私たちは、この頃になって、漸くコートを脱ぎますよね・・・やはり、太陽の勝ちです。

如何でしょうか? 一筋の光というか希望が見えた気がしませんか?
今の時季は、そんな想像をするだけで心が温まりますが、さらに「光の春」「音の春」「気温の春」などの素敵な日本語表現に触れることで、春の情景や希望感を瞬時に思い浮かべることが出来て、体の内側にホンワカした春・・・そう「心の春」を感じるようになると思うのです。
私には、象形文字ならぬ「情景文字(造語)」なんて言葉さえ浮かんで来ます。
思わず、「~重いコート脱いで出かけませんか。もうすぐ春ですね~♪」という歌も口ずさんだりして、何か楽しい気持ちになりますよ。

寒くても・暑くても、その次には必ず心地よい季節が訪れます。
日本には素晴らしい四季があり、私たちは、このようにして、その移ろいを身近に感じることが出来るのです。幸せなことですよね!

 

《サニーちゃんのお天気メモ》

(注1)<立春>を始めとした<>付の言葉は、二十四節気の呼び方だよ。
詳しくは以下(過去のお天気コラム)をクリックしてね。
http://sunny-angels.jp/blog/?m=201209

(注2)<立春>の頃は、<冬至>の頃に比べて、50分ほど昼間が長くなっているんだよ。
(横浜のデータ)

(注3)平均気温は、<立春>から<春分>まででは、4℃ほどの上昇に留まるのに対し、
<春分>から<立夏>まででは、倍の8℃近くも上昇するんだよ。 (横浜のデータ)

<ゼフ>

 

 

月までの距離を感じてみよう!

地球って大きいですよね。
大きすぎて距離感がわからないので、ぎゅーっと縮めてみましょう。

両手でぎゅーっと、ぎゅーっと、ぎゅーーーっと!!!

縮まりましたか?

こんなサイズになるまで縮めたら準備OKです(笑)

これは直径12センチの地球義。実際の地球の1億分の1の大きさです。
衛星写真を使って作ってあり、緑地帯や砂漠地帯がよくわかりますね。
日本は緑色、緑地帯なのです。

でも、ひとつだけ実際の見え方と違う点があります。

わかりますか?

そう!雲がないのです。
天気予報を見ていると「ひまわりの映像をみてみましょう」とか「雲画像です」
と言って画面に登場するあの雲の画。
実際は、あのように地球のどこかに必ず雲があるのですね。

雲画像は「ひまわり」という人工衛星からカメラで撮影しています(※1)
ひまわりまでの距離は、さきほどの12センチの地球儀で表現すると、
地表から36センチあたりにあります。

では、ここでクイズです!

Q:この12センチの地球儀で表現すると、月はどのくらいの距離にあるでしょうか?

これを月と見立てます。(12センチ地球儀と同じ縮尺です)

答えを考えてから↓にスクロールしてくださいね(^^

 

 

 

答えはこのくらいです。

およそ3.8メートルです。
さきほどの人工衛星までの距離が36センチですから、約10倍の距離になりますね。
遠いと感じますか?近いと感じますか?

ちなみに、同じ縮尺で考えると太陽は地球から1.5キロメートルのところにあります。
電車のひと駅分くらいでしょうか。
月に比べるとだいぶ遠いです。でも、毎日、毎日、太陽の光や熱が地球までちゃんと届きますね。
そして、私たち生物は命をつないで生きていけるのです。

11月に4度めの宇宙の旅へ出発した宇宙飛行士の若田光一さん。(※2)
ただいま、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在しています。
ISSは、12センチ地球儀でいうと表面から4ミリメートルくらいの距離を約90分で1周、
1日で約16周回っています。月に比べると、地球にとても近い距離にあるのですね。

大きなモノは、小さくして考えるとその距離感がつかめるというお話しでした!

 

《サニーちゃんのお天気メモ》

(※1)ひまわりは、気象観測を行う日本静止衛星気象衛星の愛称なのよ。
201071日から雲画像は、ひまわり7号のものが採用されています。
得られた気象情報を日本国内だけでなく、東アジア・太平洋地域の多国に提供しています。
ひまわり6号から、航空管制としての機能(航空ミッション)と気象観測としての機能(気象ミッション)の
二つの機能を持つ運輸多目的衛星(Multi-functional Transport Satellite:MTSAT)が打ち上げられ運用されています。

(※2)若田光一さんは四回目の宇宙飛行で国際宇宙ステーション(ISS)に約半年間滞在する予定なの。最後の二カ月間は日本人初の船長として活動するそうです!

<18号>

 

 

 

 

 

 

気象災害に備えよう!

「大雨が降り続き、避難しようか迷っているうちに、気づいたら道路は水があふれて川のよう」・・・そんな状況を想像したことがありますか?

この時期、局地的大雨(俗にゲリラ豪雨)や集中豪雨の報道が続きますが、私には、2年前の某新聞報道での「避難するほうが危険」という文字が目に焼き付いていて、今でも消えることがありません。避難行動中に被災するということは、あってはならないことです。

市町村から避難勧告(避難のための立退き勧告)や避難指示(同退き指示)が出た場合は避難すべしということで、中には、ホームページで「避難指示が出たら必ず避難しなくてはいけません」と記載している自治体もあります。

災害の危険が迫っているときは、避難勧告や避難指示の有無に関わらず、安全な場所に身を置くことが大切ですが、全てにおいて「最寄りの避難所まで移動する(立退く)こと」ではありません。場所を移動するのは、安全に移動出来る場合、早め早めの行動が出来る場合に限ります。

大雨や洪水に関して言えば、既に周辺が浸水し始めている場合や、崖崩れの前兆がある場合などは安全に移動出来ない状況と判断し、次善の策として、住居や建物(近隣含む)の上階や、崖とは反対側の部屋に移動することが有効で、これも正しい避難行動なのです。

道路が冠水した状態になると、水路や川との区別が付かないだけでなく、水深が浅くても流れに足元をすくわれたり、段差や障害物、マンホールの蓋が開いてることなどにも気付かない状況が予想されます。そこを歩くことの危険性を十分にイメージしましょう。

また、せっかく安全な場所に居るのに、水路や川、田畑の様子を確認に行って被災することもあります。たとえ雨が止んでも、土砂災害や洪水は後追いでやって来ることがあります。これは大変危険な行為です。

次に、外で活動中の場合のことも考えておきましょう。
たとえば、河原でキャンプや水遊び中の急な雨で、川が、数分という極めて短時間に身長以上の深さに増水することがありますし、そこで雨が降っていなくても、上流の雨で増水することもあります。このような場合は、まずは、幹線道路まで一気に上がることです。橋の下での雨宿りは急な増水に巻き込まれる可能性が、また、樹木の下での雨宿りは落雷の可能性がありますので、絶対に避けましょう。また、河原到着時に避難ルートを事前確認しておくことは言うまでもありません。

外で活動中の場合は、警報などの情報取得は難しいかも知れませんが、逆に、以下のような前兆を感じ取り易い状況ですので、五感を研ぎ澄まして危険を察知し、ビビッと来たら直ちに避難を心掛けましょう。
① 真っ黒い雲・急に暗くなる
② 雷鳴や雷光(遠い雷鳴でも危険)
③ ヒヤッとした冷たい風
④ 大粒の雨や雹(ひょう)
⑤ 川の流れの変化(濁り・流木・水位)

 

気象現象そのものは災害ではありません。いろいろな「防御壁=防災対策」を越えたものが災害を引き起こします。その防御壁の高さや大きさを経験値から決めても、それを越える災害が起きて、さらに壁を高く大きくする・・・の繰り返し。災害の最大値を想定することは出来ません。

そして、この防御壁には、堤防や排水施設などのハード的なもののみならず、私たちの考え方や判断力のようなソフト的な「心の防御壁=防災意識」も含むのです。

私たちは自然の一員であり、そこで生かされていることを理解し、自然を畏怖する気持ちが必要だと思います。自然からの目線では、私たちは皆平等です。
「自分は大丈夫」「今まで大丈夫だったから」「ハザードマップで印が付いていないから」などという特権意識・・・いわゆる「正常化の偏見」という考え方は捨てましょう。

また、誰かが「守ってくれる」「指示してくれる」という受け身の気持ちも打破・・・「くれない族」「指示待ち族」からの脱却や、「自助」と「共助」の気持ちを持つことも重要だと思います。

たとえば、家族で、自宅の周りの危険なところを調査し、自前のハザードマップを作ることは、素敵な「心の防御壁」強化策のひとつだと思います(※1)

このような心持ちを育み、その場の状況に応じて、「自分や家族は自分で守ること」「命を守ることに最善を尽くすこと」に真正面から取り組みたいものです。

気象庁ホームページでは、気象災害から身を守ることを目的にした多くのリーフレットやビデオなどを紹介していますので、是非「心の防御壁」強化にお役立てください。(※2)

また、従来の注意報や警報に加えて、今年8月30日から気象庁による「特別警報」の運用が始まる予定です。これも、詳細は気象庁ホームページをご覧ください。(※3)

 

《サニーちゃんのお天気メモ》

(※1)災害図上訓練=DIG(ディグ)「Disaster Imagination Game」の略で、地域住民が防災対策の検討を行なう場合の手法として使われることもあるんだよ。家族や地域で防災情報を共有することは、とても大切なことだよね。

(※2)詳しくは、コチラから。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/index.html
特に、防災啓発ビデオ「急な大雨・雷・竜巻から身を守ろう!」には、被害編と解説編があって、子供目線で判り易いよ。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/cb_saigai_dvd/index.html

(※3)特別警報の意味付けや発表基準など、詳しくは、コチラから。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/tokubetsu-keiho/index.html

<ゼフ>

 

 

 

気象科学館に行ってみよう!

夏休みもそろそろ中盤。
花火や旅行など楽しい予定がいっぱいで、いつもより天気予報が気になる季節ですね。

今回は天気予報の舞台裏や防災の知識を学べる「気象科学館」をご紹介します。
気象庁の1階正面玄関を通って入ると、まずは気象庁のマスコットキャラクター「はれるん」がお出迎え。

最初の展示は気象観測装置。
気温や風の強さ、降水量、積雪量などを測っている機械を見ることができます。
これは雨水の量を測る「雨量計」。自由研究で作ってみる?

こちらは観測したデータを元にどうやって天気予報を作るのかを紹介しているコーナーです。予報官の作業机を模してつくられているとのこと。
イスに座ってアメダスや気象衛星画像を眺めれば、気分は気象庁の予報官!?

夏の夕立の後は虹を見るチャンス。
虹の見えるしくみ、どうして七色に見えるのか、などが分かりやすく解説されています。
そしてグレーの壁に近づくと・・・小さな虹が浮かびました!

気象庁の仕事は天気予報をつくるだけではありません。
いつ起こるか分からない地震を見張って、地震速報を発表するのも大切な役目。
震度6ってどのくらいの揺れ?
自分で台を揺らして確かめてみましょう。
中央にある黒い筒が「震度計」です。

プールの中で実際に小さな津波を起こす実験装置、「津波シミュレータ」。
地震の振動が水に伝わって津波となり、陸に押し寄せる様子を見ることができます。

気象科学館では、毎週土曜・日曜・祝日に気象予報士がボランティアで解説をしています。
「夏休みは1日50人から100人近くが来館します。小学校4年で気温、5年で防災を勉強するので、小学校高学年が多いですね。最近はお母さんからゲリラ豪雨について質問されました」とのこと。
小さいお子さんにはやさしく分かりやすく、物理や化学の知識がある中学生・高校生には専門的に解説します。展示について分からないことやお天気について知りたいことなど、何でも気軽に質問してくださいね!

この他にも突然の大雨にどう対処すればよいか分かるシミュレータ、竜巻発生装置、地球温暖化に関するクイズ、緊急地震速報トライアルなど、見て・触れて・試して学べる展示がいっぱいです。
自由研究のテーマも見つかる気象科学館、夏休みにぜひ足を運んでみてください。

「気象科学館」
・場所: 気象庁(東京メトロ「竹橋」より徒歩1分、「大手町」より徒歩5分)
・開館時間: 10:00~16:00
・休館日: 年末年始
・入館料: 無料
※土日・祝日は気象予報士が解説をしています。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/intro/kagakukan.html

 

《サニーちゃんのお知らせ》

夏休みに「気象庁夏休み子供見学デー」が開催されます!
普段は見ることのできない天気予報の現場見学ツアーやお天気キャスター体験コーナーなど、気象について楽しく学べるイベントです。みんな見学に来てね!

「気象庁夏休み子供見学デー」
・場所: 気象庁
・日時: 2013年8月7日(水)・8日(木) 10:00~16:00
・参加費無料、予約不要
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/info/event/event.html

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