スギ花粉 ~今春は要注意?~

今年もスギ花粉症(以下、花粉症)の人にとって、イヤな季節がやってきました。
しかも今年のスギ花粉の飛散量は、北海道や中国地方の一部で例年(過去10年間の平均)よりやや少なくなるものの、他の地方は例年並みか例年よりも多くなると予測されています。
昨年は飛散量が少なかったので、花粉症の人にとって比較的ラクな春でしたが、今春はかなりツライかもしれません。

スギ花粉の飛散量は、前年夏の気温や日射量の影響を受けるといわれますが、これは、夏にスギの花芽が形成されるためで、気温が高く日射量が多ければ花芽は多くなり、気温が低く日射量が少なければ花芽は少なくなります。<グラフ1・グラフ2>
また、スギ花粉の飛散量が非常に多かった年の次の年は少なくなる傾向があります。


私は都内の耳鼻咽喉科医院で受付の仕事をしているのですが、2月に入ってから「予防の為に」と言って来院する人が徐々に増え、連休前には「そろそろ症状が出始めた」と言って受診する人が増えました。

報道などで「飛散開始日」という言葉を耳にしますが、「飛散開始日」というのは「1㎠あたりの花粉数が連続して1個以上になった初日」のことで、それ以前にもわずかながらスギ花粉が飛んでいることがあります。そのため、スギ花粉に敏感な人は、「飛散開始日」以前から鼻がムズムズしたり、目がかゆくなったりするようです。

花粉症の薬は、症状が出る前から飲み始めたほうが症状が軽減されるので、ベテラン(?)の花粉症の人は早めに受診することが多いのですが、花粉症デビュー(?)したばかりの人は「自分は花粉症ではない」と思い込み、受診がおくれたりすることがあります。
昨年まで花粉症でなくても、突然花粉症になることはあります。特にスギ花粉の飛散量が多い年は要注意です。(※1)
鼻がムズムズする、鼻水が出る、のどがイガイガする、目がかゆい…などの症状がこの時期続くようでしたら、一度専門医に相談してみてはいかがでしょうか。

花粉症の人は、スギ花粉がたくさん飛んでいるときの外出はできるだけ避けたいものです。
スギ花粉の飛散状況をリアルタイムで見ることができる「環境省花粉観測システム(愛称:はなこさん)」http://kafun.taiki.go.jp/ などを活用してください。(※2)

実は私も花粉症。早くこの時期が過ぎてくれればと願うばかりです。(※3)

<参考写真>スギの雄花と花粉 出典:環境省花粉症健マニュアル

<サニーちゃんのお天気メモ>

(※1)スギ花粉の飛散量を抑える対策として、少花粉スギや無花粉スギの開発も進められていて、その苗木の植林も始まっているよ。でも、苗木生産量全体に占める割合は平成22年度で7%程度なんだって。成長して効力が出るまでに、まだまだ長い時間がかかるんだね。

(※2)「花粉観測システム(はなこさん)」は、環境省と厚生労働省が設置した全国131か所(平成24年時点)のデータを1時間ごとに更新して表示しているんだよ。花粉自動計測器でレーザー光を照射して測定するんだって。花粉の量だけでなく風向きや風の強さも分かるよ。また、民間の気象会社や各自治体でも、より細かい情報を発信している場合があるから検索してみてね。今、キミのいる場所の花粉の量を調べてみよう!
たとえば、ウェザーニューズ社「花粉チャンネル」:http://weathernews.jp/pollen/#//c=0
東京都「とうきょう花粉ネット」:http://pollen.tokyo-kafun.jp/kafun/index.php?action=KafunMapYohoNew

(※3)スギ花粉が峠を越えても4月頃にはヒノキ花粉・・・秋のブタクサなどの花粉もあるので、併発すると長期間悩まされることもありそうだね。

<3号>