花粉・砂塵・黄砂・PM2.5・・・この季節、いろんなものが飛んだり、吹き荒れていますが、私たち日本人は、桜(ソメイヨシノ)の開花宣言で本格的な春を感じますよね。(※1)
今年は、3月13日の福岡と宮崎を皮切りに、東京は3月16日(宮崎は観測史上最早記録、福岡・東京は最早タイ記録)、横浜は3月18日に開花宣言が出て、早くも春本番。概ね開花から1週間ほどで満開になるので、花見計画を早めた方も多いのではないでしょうか。
開花宣言は、その地方の標本木(※2)に5~6輪以上の花が咲いたのを気象庁職員が目視で確認した日に出ます。開花のメカニズムについては、気象庁のホームページに以下のような内容の記述がありますので、ご紹介します。
- 前年の夏頃に翌春咲く花のもととなる花芽(かが)を形成し「休眠状態」に入り、
- 秋~冬の低温(5℃前後)に一定期間さらされて休眠状態から覚め(「休眠打破」)、
- 春先の気温の上昇とともに発育し開花する。
つまり、日本のような明確な四季があってこそ、暑い夏・寒い冬があってこその春の訪れ・・・私たちは、有難いことに、こんな素敵なプレゼントを大自然から毎年いただいているんですね。
さて、今年の開花は何故早かったのかを確認しましょう。
横浜の立春以降の気温変化を(グラフ1)に示します。青色線が日ごとの平均気温の平年値、赤色線が日ごとの平均気温の観測値ですが、2月は低めに推移した気温が3月に大幅に急上昇したことが判ります。また、緑色点線は昨年の日ごとの平均気温の観測値ですが、3月になってからの気温が今年より、また平年より随分低いことが判ります。ちなみに、昨年の横浜の開花日は4月2日と遅めでしたので、最終的には3月の気温上昇状況(追い込み)の影響が大きいのでは?という感じもありますね。あくまで個人的な推測レベルですが。
子供の頃は、桜は入学式の花と印象がありました。
それが、今は歌にも多く表現されているように卒業式の花と印象付けられた感があります。
そこで、気象庁ホームページにある過去60年の横浜の開花日のデータを元にグラフにしてみました(グラフ2)。赤色線が実際の開花日推移で、青色線は開花日傾向の近似的なラインです。横軸が年で縦軸が日なので、右ほど最近、上ほど開花日が遅いということになります。近似的なラインは、やや右肩下がりで60年間で4~5日早まっているように見えます(開花の平年値も4日早まっています)が、実際は、かなりジグザグの振幅が大きいし、卒業式まで早まった感じではないかも知れませんね。皆様は、如何お感じでしょうか。
また、桜だけではなく、動植物の生態観察から季節変化を知ることが出来ます。(※3)
日本に四季があることと、季節の移ろいを自然が教えてくれることに感謝ですね。
<サニーちゃんのお天気メモ>
(※1)開花予想は、民間の気象会社などで公開しているよ。たとえば、このリンクを参照してみてね。今では気象庁では予想していないんだって。http://sakura.weathermap.jp/
(※2)福岡は「福岡管区気象台」、東京は「靖国神社」、横浜は「元町公園」に観測対象の木=標本木(ひょうほんぼく)があるので、開花宣言はなくても「うちの周りは咲いてるよ」ということも、その逆もあるんだね。
それから、標本木は、木の老化や周囲の環境の変化によって変わることもあるよ。静岡の標準木は「静岡地方気象台」構内にあるのだけれど、今年、17年ぶりに変更になったわ。
(※3)気象庁のホームページに「生物季節観測の情報」が載ってるよ。このリンクを参照してみてね。http://www.data.jma.go.jp/sakura/data/index.html
<ゼフ>