おうちにもある?!お風呂に現れる気団変質 - 日本海温泉物語

<なぜ日本海側ばかり雪が降るの?>
太平洋側にお住まいの方の中に、子供のころ、
「どうして自分たちの地域にはなかなか雪が降らないの?
あそこ(日本海側)ではあんなにたくさん雪が降るのに!
自分たちのところにもたくさん降って欲しい!!」
と悔しい思いをされたことはありませんか?

日本海側では数メートルもの積雪があり、道路の両端は雪の壁。
教科書で見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。
それなのに、太平洋側では南岸低気圧による降雪を除いて、
せいぜいちらつく程度(※1)
どうしてこんなに大きな差が出来るのでしょうか。


<お風呂場で…>
冬場のある日、私の家で不思議な現象を見つけました。
お風呂のお湯は冷めている(湯気はたっていない)のに、
お風呂のふたを開けると、隣にある鏡が曇るのです。

お風呂場は、みんなが入り終わった後、
換気のために少しだけ窓を開けて浴室の換気扇を回します。
風呂桶にはふたをしていますが朝になると当然冷めています。

風呂桶の横には鏡があって、
風呂場も当然冷えているので鏡は曇っていません(写真1)

朝、風呂のふたを開けてしばらくすると、
曇っていなかった鏡が曇り始めます(写真2)

お風呂場は冷えているし、お湯も冷めているのに、
どうして鏡が曇るのでしょう?
そのヒントは…
日本海側にだけ大量に雪が降る原因と同じところにありました。


<気団変質ってなぁに?>
冬になると、ユーラシア大陸から非常に冷たい北風が日本に向かって吹いてきます。
その北風は必ず日本海を通って日本にやってきます。
冬場の日本海は、とても海水浴できるような温度ではありませんが、
シベリアからの北風に比べるとずいぶんと暖かいのです。

冷たい北風が比較的暖かい海の上を通ることで、
大陸のカラカラに乾いた空気に水蒸気が供給されます。
日本海でたっぷり湿気を吸った空気が日本海側にやってきて、
日本列島の中心を走る脊梁山脈(※2)にぶつかるとそこで雪になるのです。
乾いた北風が日本海で暖まる…まるで日本海が温泉のようになっています。
山にぶつかって雪を降らせてしまった後は、
カラカラの乾いた風だけが太平洋側にやってくることになります。


実はこれと同じことがお風呂場で起こっていました。
外から入ってきた冬の乾いた風が風呂桶の残り湯の上を通ることで湿気を含み、
鏡で結露していたのです…↓↓↓こんなイメージで!



大規模な冬の気団変質が、
お風呂場で体験できるというのはとても面白い事ですね。

 

<サニーちゃんのお天気メモ>
(※1)太平洋側…特に関東地方では、
本州の南を進む南岸低気圧で雪になることが多いんだよ。
同じ雪でもメカニズムが違うって面白いよね~過去の記事も参考にね!

(※2)日本の脊梁山脈(せきりょうさんみゃく)
列島を日本海側と太平洋側に分けて分水嶺となっている高い山脈なんだよ。

<45号>