梅雨の時期、じめじめして
洗濯物も外に干せなくて
嫌だなあ・・・早く梅雨明けしないかなあ・・・
と思っている方も多いのでは?
そんな時、街のあちこちで見かける
色とりどりの紫陽花(あじさい)は
ひととき心癒してくれますよね。
この紫陽花、皆さんが「花」だと思っている
毬のような部分は装飾花と言って
おしべとめしべが退化したいわば飾りの花です。
花びらだと思っている部分は実は萼(がく)なのです。
本当の花、真花(しんか)は装飾花の下に
ひっそりと咲いています。
真ん中に小さく二輪咲いているのが真花です。
気象庁では、紫陽花の開花日も観測していますが
標本木(観察する対象の木)の真花が
2~3輪咲いた日を開花日としています。
ちなみに、今年の東京の紫陽花の開花日は「5月11日」でした。
さて、みなさんのお近くでは何色の紫陽花が多いですか?
私の住む周りには青色の紫陽花が多いようです。
この紫陽花の色は、土の性質により決まります。
酸性の土壌だと青色。アルカリ性の土壌だと赤色。
日本の土壌は火山灰を多く含んでいて
降水量が多いために、酸性土壌が多いそうです。
だから青色のものが多めだったのですね。
紫陽花の花の色は、どんどん移り変わっていきますよね?
これはいわゆる「老化」によって酸性の物質がたまってきて
青色から赤色に変化していくためです。
一つの株なのに様々な色の花が咲いているのは
この「老化」によるものと
根から吸い上げる水分量が場所により微妙に違うため。
いろいろなことが影響して、
あの美しい色合いになっているのですね。(※1)
では、青い紫陽花の色を赤くしてみたくなったら?
土壌をアルカリ性にするため石灰をまいたり
鉢植えにして土を(アルミニウムイオンを含まない)
ピートモスのようなものに変えたり
リン酸を多く含む肥料をあげるなどすれば可能です。(※2)
望むようなきれいな赤色になるとはかぎらないそうですが、試してみてください。
でも、元々の自然の色で十分きれいなのですから
無理せず少しずつ、紫陽花にやさしく試してくださいね。
紫陽花をはじめとして
季節の変化を楽しみ味わう文化が日本にはあります。
豊かな感性を子どもたちにも伝えていきたいですね。
そして、梅雨のこれからの時期は
集中豪雨などにより気象災害の起こりやすい時期でもあります。
発表される気象情報に注意して
早めの準備・対策を。
そして、いざという時には、最善の行動をしましょう!
(※1) 武田幸作『アジサイはなぜ七色に変わるのか?』 PHP研究所、1996年
(※2) http://www.engei.net/guide/guide.asp?ID=595
<サニーちゃんの一口メモ>
・気象庁では季節のうつり変わりを調べるために、紫陽花やうめ・さくらの開花した日、かえで・いちょうが紅(黄)葉した日などの植物季節観測や、うぐいす・あぶらぜみの鳴き声を初めて聞いた日、つばめ・ほたるを初めて見た日などの動物季節観測を行っているのよ。
<1号>